君と僕らの話 | ナノ





「神崎…さん!」

『ん?
 あー…えっと、』

「あっ、5組の高橋里奈です」

『里奈ちゃん!
 私のことは陽奈でいいよー』

「う、…うん
 陽奈ちゃんはゆ、悠太くんと
 付き合ってますか?」


彼女と告白劇




この手の質問はなんどか受けたがどうして私が悠太や祐希やらと恋人同士に見えるのだろうか、謎だ
だから私は毎回言うんだ

『付き合ってないよ
 ありえないないっ』

って。

「で、でもよく一緒に帰ったり…」

『それはまぁ、仲が良いってだけで
 里奈ちゃんが思ってるようなことは
 ないよ』

そう言えば少し安心したような顔になる高橋さん。もしかして…

『里奈ちゃん、悠太に
 告白でもするの?』

「───っ!」


あ、当たったみたい。
目の前の彼女はみるみるうちに顔が赤くなっていく。なるほど、もしかして悠太を呼んで欲しいとかそういう感じかな。

「放課後…この場所に来て欲しくて」

そう言って彼女は紙を渡してきた。

『わかった、里奈ちゃん
 頑張って』

微笑めば高橋さんは可愛らしい顔をしてお礼とお辞儀をして戻っていった。なんて丁寧な子なんだ

さて…

『悠太くんはどこにいるんでしょうね』

─────
───



やってきました放課後。
悠太と里奈ちゃんの告白劇をみたくて、こっそり覗きにきた私です。ほんとはほかの子達にも言いたかったけど絶対他の子達は馬鹿にするだろうし、見られるなんて悠太は嫌がるだろうから言わないでおいた


「あっ!いたいたー
 ひなたんなにやってんのー?」

『しー!!』

「およ?」


結局、要と祐希と千鶴が来てしまい私が隠してた意味が無くなってしまった。千鶴の口を押さえて悠太の方へと指させば3人は目をまん丸にさせた

「なにあれ」

「早く帰るぞ」

『あ、ちょ、』

「ゆうたー…」

「つきあってくださいっっ」


3人の動きが止まりさささっと陰に隠れた。陽奈はため息をつく。
するとそこに春が登場

「あれ?みんなどうしたんですか?
 悠太くんを捜しに行ったんじゃ…」

「しーーーっ!」
「しーーーっ!」

「はい?」

「見よ、春
 悠太は今青春真っ只中だぞ」

「え…ええ〜〜〜!!?」

「ゆうたんめ〜っ
 一人だけおいしいところを〜っ」

「ってか何で陽奈も黙ってたの?」

『きみたちがそうやって騒ぐからよ…』

「あ
 あの子ボクらと同じクラスの
 高橋さんですよ」

「ほお」
「そうだったんだあ…」

「って、ダメですよこんなっ
 恋のでばがめはっ」

「あ?
 大丈夫だってホレ
 あっちだって見てる女子いるしよ
 本人にバレなきゃ…」

「悠太が戻ってきた」

『みんなが騒ぐからー!』

「お前の声もでけーよ!」

「要っちも!
 ほら、バックバックバック!」




という出来事が昨日ありました。



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