君と僕らの話 | ナノ





──ぴんぽーん

「あー そー ぼー」

『…小学生ですか千鶴くんよ』











彼女とお遊び



「おっじゃましまーす」

『どぞー
 てか何もすること無いよ』

真夏の中、宿題もやらずに暇人な千鶴がうちに来た。その前には浅羽家、塚原家には断られたようで。
…可哀想に


「なんで哀れんだような目でみてんの!?

 てか、1つ屋根の下…
 男と女がいたらすることは一つしか
 ないでしょ!」

『ああ、しりとり?』

「なんで!?
 それは男女じゃなくても
 できるかな!

 …って、」


だんだんとほんのり赤くなってくる千鶴の顔。
あんまりさっきは見てなかったけど、タンクトップにショーパンって…!どんだけ露出多いのひなたん!!
心なしかきらきらとしたオーラが見えてきた気がする

『?
 なに、千鶴』

「い…いや…」

『ほいじゃ、ゲームしましょーや』


「え?」


陽奈がにっこりと笑いながら出してきたのはWii。マリカーをやろうということらしい

やってから何分たっただろうか
だいぶ白熱しだしてきた


『ぎゃー!千鶴アタックしすぎ!
 三回目なんだけど落ちるの!』

「ひなたんがだんだん近づいてくるから
 肘が当たるの!
 ち、近いし!」

『えぇぇぇ

 おっ、祐希からだー』


ぴろりろと初期のままの着信音が陽奈の携帯から鳴りだした。

『もすもす』

《もすもす

 陽奈、今ひま?》

『んー、暇っちゃ暇
 絶賛千鶴とenjoyしてるけど』

「楽しいのか楽しくないのか
 わかんないんだけどひなたん…」

《え?千鶴いんの?
 陽奈の家に?》

『うん』

《………。

 あれ、どうしたの祐希
 顔怖いよ


聞こえてきたのは後ろから聞こえてくる悠太のこえ。
千鶴をチラリと見れば頭にお花を咲かしてそうなほどきゅるんとした顔で見られた。
それにデコピンしてやれば痛そうに額をさすった


『ん?
 ん、うちくるの?
 うん、良いよぜんぜんー
 んー、待ってまーす』

ピッ

「なに?ゆっきー達くんの?」

『うん、暇らしいよー』

「え?ボランティアは?」

『え?
 あの祐希がそんなめんどくさい事するの?』

「えっ」

『えっ』


「なにしてんの2人とも」

あれ、話しあわなくね?と2人で見合っていたらぬっと出てきた無表情な彼

騒ぐ千鶴をよそに笑顔で迎えた陽奈

『おーよーきたねー祐希!
 千鶴とマリカーしてた!』

「へー…ふーん…」


と興味があるのかないのかよく分からない返事をした祐希。後からきた悠太を見るとちょいちょいと手招きされた
悠太の傍にいけば後ろから腕を回されて頭の上に顎を乗せられた

『ゆーた、ゆーきの顔怖いね』

「そだねぇ
 とりあえずほっとこう
 男の子同士の事情だよ」

『ほぇー…』

男の子同士の事情とはなんぞや。
そんな事を思っていればポケットの中にあった携帯が鳴りだした

『!』

「…?」

春からのメールを見た陽奈は目を輝かせて悠太にみせた。

「…陽奈がいくなら行きますよ」

『!い、いく!絶対いく!


 2人とも!春からのお誘い!
 夏祭り行くじょぉー!!』


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