そろそろ文化祭というものが始まる頃。今日の私はいつもと違う。そうです。寝坊しました。
慌てて起きたときは二時間目が始まる頃だった。光る携帯を見ればいつものメンバーからの着信履歴がハンパなかったです。さすがにやりすぎだと思う。軽くトラウマになりますので…本当やめていただきなかった。とりあえず着信履歴が一番上にあった春に午後から行くことを伝えた
そして午後、昼食をすませてから学校に向かう。学校についたら見回りしてる、こーちゃん先生にあった
こーちゃんとは親戚だったりします。こーちゃんからはよくこーちゃんの友達の話をされたり。
こーちゃんこーちゃん言い過ぎだね。
それはさておき、こーちゃんに遅刻ですゴメンナサイと謝れば優しい笑顔で今日だけだよ。って頭撫でられた
『こーちゃんありがとう!』
「ここでは先生ね」
こーちゃん先生に手を振れば優しく振り返された。それに満足し皆がいるであろう屋上に向かった。扉を開ければ春が出迎えてくれた
「陽奈ちゃん!」
『春おは…
───…春!?』
春の肩下ぐらいまであった髪の毛がバッサリと切られていた。一瞬誰かわからなくなりつい大声をあげてしまったが間違いなく春だろう
『春、可愛いねー髪の毛』
「えっあっ、ありがとうございます!
陽奈ちゃんも可愛いですよ
クス…はねてるところも」
『うそっはねてる!?
慌ててきたからなぁ…
って、いやいや春が可愛いよー』
はねているだろう所の髪を優しく触られ私はあちゃーっと思う。やっぱ慌てるのはよくないね。
ってか春、おとなっぽくなった…?
春といるとのほほんっとする気になるね、これが春ワールドか。なるほど。そんなことを思っていればセーターの端をクイクイッと引っ張られた
「どうですかオレの力作」
「いやいや、オレもね」
「はいはーい!
オレ最後髪の毛掃除したー!」
君らがやったのか。いやいやでも素人がここまでできたら十分だな…さすがです。
すごーいと言えばなにやら満足げな顔をする三人。おもしろい。
「文化祭近いんだからあんま寝坊すんなよ」
『あーそういや近かったよね
うちのクラスなんだっけ?』
「お化け屋敷」
『え?』
「お化け屋敷」
『……え?』
「だからお化け屋敷だって」
『なんで!!?』
まって、きいてないよ。お化け屋敷やるなんて…やめようよそういうの、よく言うじゃん本物でやすいって。
「なに、陽奈
ちゃんと聞いてなかったの?」
「ひなたん寝てましたー」
「陽奈にお化け屋敷でいいか聞いた
いいよって言ってましたー」
「あらら」
『時間よ戻れ!』
「無理だろ」
くっ…あのときか…!
確かに祐希がなにか聞いてきたけどあの時はヤマザキパンがなんとかって聞こえてたのよ。あの時さえちゃんと起きていれば…!
お化け屋敷とかが大の苦手だ…そして今まで隠してきていたこと。だってなんか恥ずかしいじゃん
「陽奈、お化け役だよ」
『嘘だろ』
さらに祐希から追い打ちをかけられた。どうせなら呼び込み係りとかが良かったよ
「千鶴が勝手に書いてた」
「ごめんちゃい☆」
『んもー可愛いから許す!
って、なんないからね』
「でもひなたんお化け役でいいって
言ったもん…」
『もうやだ…』
ここまで過去を恨んだことはないよ。嫌だよ、ドラえ○んください。あきれたような顔をする要と悠太に困りながらも微笑んでる春。もう授業中寝たりしない。
そう心から誓いました
**
放課後。
いつものメンバーで下校するがなにやら要の様子がおかしい気がする。文化祭近くて実行委員やら生徒会やらで疲れているのかもしれないけど…少し心配だ。要は頑張りやだから
私もアニメに興味があるから祐希読んでる雑誌を覗き込む
「陽奈危ないよー」
『んー大丈夫ー』
「オレが支えてるから平気ー」
「大丈夫って、ふらふらしてんじゃん」
『じゃあ悠太にも掴まってる』
「もー」
文句いいながらもちゃんと手を差し伸べてくれるところは優しい。ゆーたお兄ちゃんさすがです。
悠太がお兄ちゃんというかお母さんに見えてきたのでジブリの代表的な散歩を熱唱して悠太と祐希の手をぶんぶんふってたら恥ずかしいから止めてって言われた。
私の美声がよろしくないと。ほぅ。
「ねー春ちゃん!
オレお化け役やるんだけど
何がいいかな?」
「う───ん」
私たちの前では春と千鶴が楽しそうにきゃいきゃいしてる。なんかさ、あの2人って女子みたいなノリしてるよね。
「祐希
漫研って文化祭なんかやるの?」
「あーマンガ喫茶」
『え、祐希部活入ってたの?』
「まずそっから?」
『しらなかったー!』
「まぁ、半帰宅部だからね」
そりゃ初耳だ。なにやら要が無理矢理入れたぁって嘆きながらくっついてくる祐希の頭を撫でた。…そりゃまぁご愁傷様です。
「そういや漫研のポスターコピー
まだだったよな
明日とかでも…」
「え?
ああいいよ あれもうやった」
「は?」
「っていうかやってもらった
悠太くんに
なんか悠太もコピー機拡大とか
わかるっていうしさあ
まあ要に頼むなら悠太?みたいな」
「んだよそれ」
「だって要ってさあ
上手くできてもどっかマグレくさい
とこあるじゃん」
「ね、なんかアテにならないよね」
『だいたい要は
完璧ってキャラじゃないよねー』
「わかるわかる」
「…ああっ
そう!!」
「ふごっ」
いきなり要が千鶴の腹に鞄をぶつけてた。千鶴がきゃんきゃん騒いでたけどこれもまたいつもの日常で。痛がってる千鶴を横目になんだか急に上機嫌になってる要に一安心
少し、文化祭も楽しみになったきがする
彼女と文化祭前
(よかったねー千鶴特別あつかいだ)
(こんな特別うれしくない!)
なんだか書き方を変えてみたらもの凄い文の量(゚Д゚)