────また。
またひどく乱暴に抱いてしまった。
そう気づいたときは既に手遅れだったみたいで。
「カイジさん……?」
生きてますか?
そう訊ねたら、カイジさんからは吐息に混じって小さな声が聴こえた。
「腹の中が……なんか変……」
それはカイジさんなりの、中出ししてしまったオレに対する非難だったのだろうけれど。
「じゃ、掻き出さなきゃ……ね?」
オレはそれに気づかないフリをした。
「いいよ!!掻き出すとか……!」
自分でやる!自分で!
────言って、カイジさんは立ち上がろうとするけれど。
腰への無茶が祟って、結局ヘナヘナと倒れるようにその場に崩れ落ちてしまうのだった。
「……大丈夫ですか」
「平気………」
そう言い放つわりにはどうも様子が危なっかしい。
顔色も心なしか悪い気がする。
「……カイジさん」
「……ん」
「ごめん」
「……!」
カイジさんは明らかに驚いている。
それもそうか。
オレは今までもカイジさんに散々無茶させてきたけど、ちゃんと謝ったことは皆無だったから。
「後始末、オレが手伝うの嫌?」
「や、その……」
────恥ずかしいんだよ……。
やっと聞き取れるくらいのカイジさんの声は心なしか震えていた。
ああ。そうか。
カイジさんは恥じらっていたのか。
そんな必要ないのに。
むしろオレは、カイジさんの身体なら奥の奥までじっくり見たいのに。
だから薄いシーツで身体を隠さないで。
全部オレに曝け出してよ。
隠すなんて勿体ないでしょう。
せっかくいい身体してるんだから。
「うぅ…。お前の出したヤツ、すげー熱い……」
────は?
何を言ってるんですか?
カイジさん。
あなたの迂闊なその一言こそがオレのことを更に燃え上がらせるって、知ってましたか?
知っててわざと発言してるっていうのなら、まったく。
あなたはとんでもない策士だ。
まぁ恐らく天然だとは思うけれど。
シーツに隠れてしまって見えないけど、きっとカイジさんのあそこはオレが吐き出した液でとろとろに熟れているのだろう。
それが手にとるように分かってしまう。
カイジさんにとってはかなりバツが悪い状況に違いない。
とは言えまさか、
「もう中に出すの禁止だからな……!」
耳朶を赤らめた上に掠れた声で必死に訴えてくるなんて。
ああもう。悪いけどそれ、
「誘ってるようにしか聞こえないよ…」
だから、
「も一回ヤっていい?」
────オレが吐き出す熱いのを、どうか1滴たりとも零さずに受け止めてよ。
(それがオレの、まったくささやかじゃないささやかな願い)
Jul. 24, 2012
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