いや驚いた。

ハロウィンだからとネタで買ってきたはずの猫のカチューシャが、

アカギにすごくよく似合っていたものだから。
――――これは笑えない…。

アカギの大人っぽい整った顔立ちと愛らしい猫のカチューシャが、うまい具合に噛みあっている感じだ。

ちくしょう。
なんかドキドキしてきた…。


「どうしたの」
「や……なんでも…」

だって言えないだろ!
アカギの猫カチューシャにうっかりときめいてるとか。

ちょっと可愛く見えちゃう…とか。
ホント言えないって…!


「じゃ、次はカイジさんがつけてみて」
「ぅえ…?」
「自分だけ逃げるのは無しでしょ」
「う…っ」


確かに、

オレが冷やかすつもりで渡したカチューシャをアカギはつけてくれたのだから。
自分だけ逃げるのでは、フェアじゃない。


「わ、わぁったよ…!」
「……じっとしてて」

アカギがカチューシャを外してオレの頭にかけてくる。

思ったより恥ずかしい。
それにオレにこんなのが似合うとは思えなかった。

だから余計に、

「……かわいい」

アカギの呟きが信じられなかったのだ。


「かわ……?」
「ん」
「アカギのが…似合ってたっ…」
「ううん。カイジさんのが似合う」


――――――なんだコレッッ!!
オレ達らしくない褒めあいが続く。
ついに顔を見合わせて同時に噴き出した。

でも弛緩した空気はすぐ甘ったるいものに変わる。


「そんな見んなよぉ…」
「ごめんわざと」

アカギの手が伸びてきてオレの頭をそっと撫でる。
いいこいいこされてるみたい。

なんだか気恥ずかしくて、

まともに顔が見れない。
つい視線を下へ潜らせてしまう。

するとアカギが、顔が見えないようにギュッと抱きしめてくれるのだった。

もう、服越しに伝わる熱さが。

ホント心臓に悪い……。


いつの間にか自然な流れで手を取られ、ベッドへと誘導される。



「お菓子くれても悪戯はするからね」
「うっ……」

言葉に詰まってアカギの顔をそろそろと見上げる。
したら目があった瞬間にはくちびるに噛みつかれていて。

あろうことか「倍プッシュだ」

―――――と、
“悪戯”では済まされないほど濃厚なヤツをいただいてしまうのだけど。

顎を伝っていく透明な液を拭ってくれたアカギの指先が、

いつになく優しいような気がしたから…

つまりそれほど愛されてるってことか?と、アカギに浸食されてる思考でもって前向きに考えることにする。

あとはアカギの“いたずら”が“いじわる”へと移行しないことを祈るばかり。

−−−−オレの未来はどっちだ。






今更ですが、このシーンの続きを書いてみることにしました。18禁になる予定なので苦手な方はご注意くださいませ。完成したら更新履歴に載せます。

思えば話の終わりが雑すぎました。以後気をつけますっ!




Oct. 31, 2012




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