―――――すごく好きだって思うのに。

オレがジッと見つめると、睨んでるように見えるらしい。

ごめん。
違うんだって。

オレはあんたに見入ってるだけなんだ。
なにも毟ろうとか、考えてない。

なのに。

「……………」
「……………」

どうやらこの気持ちは伝わってないようで…

ちょっとばかり、気が滅入る。



「あの…今日の味付け、気に入らなかった?」
「いや?おいしかったけど」

じゃあなんでそんな睨んでくるんだよ…!と言いたげなそのくちびる。
面倒だから塞いじゃってもいい?


―――――顔を近づけるとカイジさんがギュッと目を瞑る。

そこへわざとキスしないでいると、

数秒してからカイジさんはうっすらと目を開けた。
……と、そこでくちびるを重ねる。

「ん……ぅっ……」

不意打ちをくらって慌てるカイジさんが可愛くて、

なんだかニヤけそう。



「アカギの……いじわる…」
「あらら…」
「……好き」
「―――――――……」

いきなり爆弾を投下しておいてもう言わねーから!!!とそっぽを向いてしまったカイジさんには、

驚かされた。

と同時に、

もっと惚れてしまった。


いまオレどんな顔してんのかな…
絶対、見られたくない。

だから。

カイジさんの肩口に顔を押しつけて、

この場をやり過ごそうと思う。




ああ…なんだか、


顔が、熱い。




Oct. 15, 2012


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