「赤木さぁん……どこ…?」と、
今にも泣き出してしまいそうなカイジの声を耳にして。
これ以上からかうのも悪いと思ったので、物陰から出ていった。
「カイジ!こっちこっち」
────呼んでやると緊張の糸が解けたのか。
「うぅ〜……っ」
カイジはボロボロと泣きだしてしまった。
しまった。ちょいやり過ぎたか?と、
後悔したのも束の間。
「もういなくなんないでっ……!」
えぐえぐと泣きじゃくる姿についムラムラッとキてしまって。
「分かった分かった」
今すぐ襲いたい衝動を必死で抑えつつ、頭を撫でてやる。
「もう、いなくなんねぇから」
ギュッと抱きしめてやると、カイジのまだ小さい手がオレの背中に回ってくる。
これだけの仕草にドキドキするだなんてオレの心臓は壊れてんのかな?って思う。
実際一度は止まった心臓なのに。
カイジと出逢ってからまたドクドクと動き始めたのだから、世の中なにが起こるか分からない。
カイジがオレに命を吹き込んだってことで間違いはないだろう。
うん。そうだ。
カイジがオレんことを生き返らせたのだ。
「カイジ」
「なに?」
「好き」
「えー?……オレも!」
肩を竦めてくすぐったそうに笑うカイジの幼いくちびるを、
そっと啄んで。
「んぅ……」
小さく漏れたカイジの声に欲情して。
頭の隅っこで改めて感じたのだ。
もうカイジとは離れられないと。
「赤木さん…」
「ずっと一緒にいような」
「……うん!」
すっかり泣き止んだカイジを見て、
やっぱコイツは笑ってた方がいいと思った。
や、まぁ……
ベッドで見せてくれる泣き顔もそそるけれど。
それ以上に、このあどけない表情にはグッとくるのだ。
グッと………
「赤木さん……?」
「わり。勃っちまった」
あまりにカイジが可愛いから。と言い足すと、
「可愛いって男には言わないと思う!」とたしなめられてしまった。
「や、男にも言っていーんだぜ?」
「……そーなの?」
目をパチクリさせて驚くカイジ。
(……やべ)
洒落になんねーぞ…コレは…
なんだよ…この愛らしい生き物は…
「あ!赤木さんっ!鼻血っ!」
慌ててティッシュを差し出してくるカイジの機転に惚れ直しつつ。
年甲斐もなくこんなちっちゃな恋人にときめいて、鼻血を出してしまうオレだけれど。
願わくは、
カイジ。
一生、
手の届く距離にいてください
Sep. 26,2012
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