※マカちゃん死ネタです。
閲覧ご注意下さい















1人でも生きようなんて思わない。

でも
ただ、2人で。

残る方が辛いのだろうか。
死ぬ方が辛いのだろうか。
死ぬの痛いしな、死にたくないよな。
でもお前の居ない世界を想像するだけで俺は。

「…ば…か、なに言ってんの」

私を生きる意味にしないでよ、
そう弱々しく呟く。彼女の息が苦しい物に変わっていくのを、俺どうしようもなく見つめていた。



終わる


のかなあと



何か壁にぶつかり、この関係が滅茶苦茶に砕けてしまった訳でもない、大切なものを全て壊してしまうような狂気に呑まれた訳でもない。
ただ、1人の灯火が終わろうとしているだけ。
それだけなのに。

それだけなのに今まで築き上げてきたこの2人の関係も笑い合った楽しいこともも泣きわめいた悲しいことも信頼も絆も愛も全部なくなって。

「…なあ…マカ、いくな、よ」

「…ソウル、生きる意味を、他人にしたら、駄目なんだよ」

「…いくなよ」

「前からね、思ってたの。で…も多分…もういいんだよ。」

「…行くな」

「自分のために、生きて。ここまで付いて来てくれて、ありが、とう」

「…いく、な」

「ピアノがあるよ、音楽があるよ、仲間も…先生も、みんないるよ。ソウルは…ひとり、じゃない」

「なぁ」

「だから」


力無く呟いて、笑う
その笑顔が残酷だと知りながら
俺が彼女を忘れられないと知りながら
それでも、最後は彼と、
笑っていたかった



握り締めてた手が力を無くして、重力に従うようにぽとりと落ちた。




私の魂が消えたら彼は、きっと私のために一生懸命作ってくれてた美味しいご飯も、ほとんど作らなくなるのだろう。
私が口煩く言っていた部屋の片付けもしなくなるのだろう。
喧嘩ももう出来ないから、彼は昔みたいに口数がめっきり減ってしまうだろう。そうなることを少し望んでしまった私は、自分勝手で最低だ。

最後に、笑うんじゃなかったなと、消え失せる視界の中でそう思った。

ねえ私のことは、いつか忘れて。
いつかまた大切な人が出来て、笑ってくれるならそれでいいの。
私が居なくても、強く、幸せに
生きていけますように











わ す れ な い で
わ た し だ け に わ ら っ て よ










バイバイ





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