スマートフォン解析 幸佐 短編 | ナノ
一枚上手
好きだ好きだと想いは募る一方。普段飄々としている忍びは、本気の恋の熱に長い間魘されていた。
幼少の頃からずっと自分が育ててきたといっても過言ではない、その相手に恋心を抱いたのは何時だったか。
幼少の頃からずっと相手が純粋で真っ直ぐな人間だけど、恋に関しては疎い人間だと気がついたのは何時だったか。
主と忍び
そんな関係以前として、ちゃんと告げなくては何時までたっても浮ばれない佐助の恋。佐助は二度と幸村の側に居られなくなっても構わないと、勇気を振り絞り一世一代の告白をしようと決意した。

「旦那!話しがあるんだけど!!」

午後のおやつの時間。佐助特製の団子を美味い美味いと頬張る幸村に、佐助は勇気を振り絞り自分の気持ちを告げた。
それは一種の賭けだった。告白して、もしも両想いでなければ……二度と一緒には居られない。
無意識に握り締められた両手の拳は、じんわりと汗が滲み出している。自然と震えが込み上げる。それでも佐助は唾を飲み込み、不安と絶望的な展開を否定しながら口を開いた。

「俺、旦那の事……好きなんだ!!」
「お前の気持ちなんてとっくに知ってる。俺もお前が好きだからだ」

即答された言葉に、佐助は足元から力が抜けていく感覚を感じ始めていた。目の前には平然とした表情で佐助を見つめる幸村の姿があった。
そして彼の背後には、笑いを堪える真田十勇士と佐助の勇気に感涙する武田軍忍び達の姿が伺えた。
全身真っ赤になりながら、佐助は中庭に隠れて様子を伺っていた部下達に怒鳴り散った。
それは気恥ずかしさと、拍子抜けしてしまった怒りの憤りからだったりするのだが、怒られても尚部下達の顔はニヤニヤしているのであった。
prev bkm next

[ top ]



「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -