スマートフォン解析 政小 短編 | ナノ
食卓
奥州筆頭こと伊達政宗は多趣味であることが有名だが、その趣味の1つに手料理がある。
彼は親しい者を集めては、自分で腕を振るった料理を振る舞っていたそうだ。


小十郎が丹精込めて作った野菜をふんだんに使い、2人で台場に立つ姿は良く見られる光景だ。今日も部下と共に小十郎の畑から収穫した野菜を使い、政宗の腕が振舞われた。

「小十郎、Todayは何を作るか」
「そうですね、久しぶりに大根の煮付けなど如何でしょうか?酒のお供にもなりますし」
「そうだな。お前の作るRadishはどう調理しても美味いからな」
「いえいえ、政宗様の腕が良いから、野菜の本来の美味さが引き立てられるのですよ」
「何を謙遜してやがんだよ。本当にお前って奴は…最高のPartnerだぜ」
「…政宗様。小十郎、有難き幸せで御座います」

台場から漂うピンク色の空気と、漏れて聞こえてくる惚気話に耳を澄ませながら外で大人しく待っていた部下達は
『あぁ、また何時もの惚気話が始まった』
と苦笑いを浮かべながら野菜の収穫を再開する為、小十郎の野菜畑に足を運ぶのであった。

庭先で剣の稽古をしていた成実は、甘い匂いが鼻先を掠め顔を上げた。
縁側で成実の自主鍛練を眺めていた綱元も、成実と同じく顔をあげ匂いが漂う方向を見つめている。

「梵のやつ、今日は何を作ったのかな?」
「……右目の監視があるから、無茶苦茶な創作料理では無かろう」
「……だな」

時折、間違えた方向の創作料理を拵える主の姿を思い浮かべ、二人は顔を見合せ苦笑いを浮かべた。
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