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とある片倉菜園の1日
「右目の旦那に質問!秋といえば!どんな野菜を連想しますかー!?」
小十郎は思った。
不自然な形で畑に刺さっている人間(足しか出ていないので誰だか判明不可能)と、その人間の足を掴んで引っこ抜こうとする甲斐の忍び。
しかも忍びは足を引っ張りながら引きつった笑み(苦笑い)を浮かべ、相変わらず人の神経を逆撫でする陽気な口調で問いかけてくる。
―――小十郎は思った。
「……何だ、こりゃ……」
野菜泥棒と右目
その日は朝から晴天だった。 麗らかな陽気の中、職務から逃げようとする主を成実&綱元に任せ、小十郎は久し振りに自分の畑に来た……のだが――。
「成る程。俺の野菜を盗む為に単身で来たのはいいが、お前の姿が見えず不安になった真田が空飛ぶ槍に乗り此処まで(飛んで)追いかけてきた。つー訳か」
「右目の旦那、解説有り難うございます」
取り合えず。小十郎は初めこそ見なかった事にしようとした。 きっと疲れが溜まっているだけだ。 そう自分に言い聞かせ、一度主の様子を見に行こうと翻した。
しかし、翻した時に見つけてはいけないものを見つけてしまったのだ。
それは―――。
「解説有り難うございます。でも一つだけ弁解させてね!俺様は盗みに来た訳じゃないよ!!」
小十郎が遠い目で何処か遠くを見ていると、遠くの方(実際は目の前)から佐助が反論してきたのだが―――。
「真田の忍び……お前の異様に膨れた腹や胸元には何が詰まってるんだ?ゴラッ」
「(真田の旦那に対する)愛情と夢です!!」
ドヤッ顔で誤魔化そうとする佐助に、小十郎は
「その愛情と夢とやら、お前が動く度に落ちてるぞ」
と言いたくなるのをグッと抑えた。
土の中から「佐助は武田の誇りでござる!!」と聞こえてきた気がするが、小十郎はそれをあえてスルーして一発佐助に拳骨を食らわせた。
何だかんだ言いながら、今日も平和なのかもしれない。
戦国BASARA
片倉と佐助(と幸村)
片倉と佐助(と幸村)