2012年賀メールafter ※冴美様より頂きました俺は今、高野さんの部屋で今年の終わりを過ごそうとしていた ぴ…ぴ…ぴーー 「…あけましておめでとう」 「あけまして…おめでとうございます。」 高野さんは俺の返答に満足したのか、嬉しそうに目を細め、微笑んでいた …別に俺は高野さんと年越しをするつもりは無く、今日は部屋に帰って紅白を観 る予定だった…のだが… またもや、高野さんは俺を強引に部屋に拉致ったのだった 「………あの、俺もう部屋に帰って寝たいんですが…」 …嘘ではない。疲れているし、何よりここに居たら高野さんに何されるかわかっ たもんじゃない…。 「じゃあ俺の部屋で寝れば?明日起こしてやるし。」 さも当然のごとく言い放つ目の前の男に、何度目か分からない怒りを感じた… 「嫌ですよ!何で自分の部屋隣なのに、高野さんの部屋に泊まらないといけない んですか!」 「……………」 「な…何ですか?」 「……………」 急に無言になった高野さんに違和感を感じ顔、をゆっくりと見上げると… -10年前のように…寂しい色- 「た…高野さん?大丈夫ですか?」 嵯峨先輩と同じ寂しい瞳をした高野さんを見たら…すごく不安になって…俺は思 わず向き合う形で彼の服を掴んでいた 「……小野寺」 「…はい?」 「…昔、俺ん家荒れてたから…誰かと年越しするとか無かったし、一年一年過ぎ ていくとか…俺自身、どうでもいいって思ってたんだ…」 「…………」 「…そんなこと…振り返っても仕方ねぇのに…」 自嘲気味に笑った高野さんに、俺は…俺は… 「こっ…!今年は!!俺がいるじゃないですか!!」 いきなり声を張り上げたので高野さんは目を見開き、呆然としていた。…でも俺 は言わなくてはいけない…もう、この人は独りじゃないことを…。 「エメ編の皆さんや…横澤さんやソラ太だっているじゃないですか!だから…だ から今も独りみたいなこと……言わないで下さい…!!」 「……小野寺…」 高野さんは俺の腕を引き、ぎゅうっと抱きついてきた …まるで母親の温もりを求める子供のように… 俺は身動きが取れず、高野さんの背中を撫でていた… 「……小野寺…」 「…何ですか?」 「………泊まってかねぇの?」 最初とは変わって、甘えたように¨お前と一緒に居たい¨と告げる高野さんに俺 はどうにも弱いらしい。 「………仕方ないから…泊まってあげますよ」 -だから…もう悲しまないで- ―――――― ――――――――― ベッドの中、俺の腕の中ですやすやと眠る小野寺を見つめ、あの頃とは違い、寂 しさや悲しみがこの一年無かったことを思い返していた 「……お前が…傍にいてくれたから…俺は毎日が幸せに感じていたんだな…」 「…これからも…俺の傍に居てくれ…律…」 眠る小野寺の額に口付けを落とし、俺は眠りについた ―――――― ―――――――― むくり。 ようやく高野さんが眠った 実は起きていたのだが、起きるに起きれない雰囲気だったので寝ていたフリをし ていた 「………傍にいてあげますよ……仕方ないから…」 まだ…想いを告げることは出来そうに無いけれど…来年も再来年も…傍にいるか ら… 「…今年も…よろしくお願いします…高野さん。」 〜END〜 120103 更新 【はるあの後書き】 年賀メール企画にご参加いただいた冴美様から とっても素敵なお礼話を頂いちゃいました!! なんだこの萌えな高律話はぁ!!!! 孤独な高野さん(*´Д`)! 甘やかす律っちゃん!!! 新年から爆死できました!! 冴美様、本当にありがとうございました!! [戻る] |