稲妻11 | ナノ


 帝国サッカー部の部室で異臭騒ぎが起こった。犯人は源田幸次郎だった。

「馬鹿かテメーは!弁当箱にキムチ突っ込んで学校に持ってくる奴がいるか!」
「すまん…今度からタッパーにする」
「そういう問題じゃねーんだよ!」
 弁当から漏れ出たキムチの汁で、ところどころ赤く染まったユニフォームを着て、部室の床に源田が正座している。ものすごい剣幕の佐久間が容赦なくそれを怒鳴り付けている。他のレギュラーは呆れた顔でそれを見ている。換気をすれども部室にこもったキムチ臭はなかなか消えてはくれない。佐久間の怒りは心頭に達していた。
「テメーのせいで俺の制服にまでキムチの臭いが染み付いちまっただろーが!今日は放課後に鬼道さんと会う約束してんのに、どうしてくれるんだ!」
「鬼道と一緒に韓国料理屋に行けばいいと思う。なんなら良い店を紹介してやるぞ」
「木を隠すなら森の中って考え方が気に入らねぇ!俺は鬼道さんとチキンタツタを食うんだよ!こんなキムチ臭を漂わせたままマックに行くのかよ…鬼道さんに恥をかかせてしまう…」
「ブルガリの新作の香水なんです、と言ったらどうだ?」
「こんな前衛的な香りがあるか!どう取り繕ったってキムチだよ!カプサイシンの匂いだよ!うわあああっ…俺は今日から鬼道さんに"なんかキムチの匂いがする男"と認識されてしまうんだああああっ…」
「いい匂いだと思うけどな、キムチ」
「死ね!源田死ね!源田なんかキムチに漬かって死ねばいい!このKOG!キムチオブゲンダ!」
「アフロディの手で漬けられるなら本望だ」



成神「あっ…韓国のアフロディさんから送られてきたお手製キムチだったんスね…」

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