熱い右頬を撫でながら感じた。もし風船だったら大きな音を立てて破裂していたことだろう。生憎人間なんてひっぱたかれたぐらいじゃ鈍い痛みが走るだけだ。いっそ風船に生まれたかった。誰にも気づかれず地味にしぼんでいったら幸せかもしれない。パチンと一瞬で消えても悪くないかも。たまに思うズルズル一人でそれも何のためにこの世に命をつなぎ止めなきゃいけないのかでも口にだしたりなんてしたらまた右手がとんでくる。大人しくしていよう
彼女の鮮やかなピンク色が紫にそして黒にどんどん暗くなっていった。怖くなってソレに触れた。やめろよと小さく振り払われる。何度も何度も振り払われて、ついに肩をどんと押された

「吹雪」

「なあに?」

目は悲しそうに見開かれて今にも何かがこぼれ落ちそうだ。お願いだからもう消えたいだなんて言わないでよ
耳に纏わり付くように残るその台詞が僕を丸裸にする。怖くて怖くて怖くてもうどうしようもなかったのに、彼女の髪がまた鮮やかにピンク色になっていって心を脳をすべてどんどん裸にするのだ
彼女の涙を拭うとぎこちなく笑顔をつくった
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