世間一般的には所謂深夜と言われる時間帯な訳で外は、どっぷりと真っ暗。季節は冬。寒くて仕方がない
理由もなしに呼び付けられて少しばかり不機嫌な気持ちを抑え目的地にたどり着いた
「あ!先輩」
ふわふわと髪を揺らしてやってくる彼女の片手には双眼鏡が握られていた
「何それ」
「ふふ、今日は流れ星がふるんです」
話の辻妻が合わないことに小さく溜め息をついて、ちらりと彼女を見ると早速、双眼鏡で流れ星を探し出していた
幸運なことに空には満天の星が瞬いている。いつふってきても、おかしくないだろう
一つ大きな欠伸をして待ってみても中々ふらないものだ。第一流れ星なんかふったから何だとゆうんだ。流れ星なんかにお願いしたってどうにもならない、こんなこと彼女に言ったらものすごく怒るだろうから黙って心に留めておいた
「あっ!」
二つ目の欠伸がでそうになった矢先、空とにらめっこをしていた彼女が突然大きな声をあげた
「先輩!見ましたか!今!」
瞳をきらきら輝かして興奮する彼女に同様しつつ空を見上げてもそこにはただ星が散らばるだけだった
「ぼっーとしてた」
「もう!一瞬なんですからね」
「わかったって」
これ以上機嫌を損ねられても困る、仕方なしげに眩しいくらいの星を見上げてみた。刹那、一筋の光が黒い夜空をさいた
「今度は見えました!?」
「見えたよ」
「お願いごと、しましたか」
意表をつかれた質問に「そんなこと頼んだって仕方ない」なんて正直に言う訳にもいかない
「間に合わなかった」
ただそう呟いた
「私はしました」
「なんてお願いしたの?」
「あの…先輩とずっといられますようにって」
暗くてもわかるくらい真っ赤にした頬っぺたを見ておかしくなった
「なーんだ」
「なんだって…!」
「そんなのわざわざ言わなくても叶えてあげるよ」
「先輩…」
俯く彼女にキスしたら照れてよそ向いちゃった
流れ星何かにお願いするぐらいだったら始めから僕に言えばよかったのに
なんてね