「マックス何やってんだよ!」

僕からの距離は数メートル。きっと来れそうで来れないのだ。走ってきてくれたのかな、息をきらしてるみたいだ
浮かれた気持ちを抑え深呼吸をしてみると、すごく気持ちいいってほどじゃないけど怠さ溢れる教室なんかよりは、はるかに清々しいものだった。いつもだったら退屈な話しかできない教師に耳を傾けて、クラスの雰囲気にのまれてるとこだった。そんな時窓から空を見上げて思う、ああ羽でも生えてたらよかったのに

「危ないだろ!戻ってこいよ!」

いつになっく必死な様子の半端くんに胸が疼いた。とにかく落ち着いてよ

「マックス!」

「そんなに大声ださなくても聞こえてるって」

「じゃあ戻ってこいよ」

「やーだ」

「はあ!?危ないだろ!?」

「別にかまわないさ」

「だってそんな死んじゃうだろ」

「さあ」

びゅうっと強い風が吹いた。よろめいた。ガシャン!とっさに掴んだフェンスは大きな音を立てた

「もう、やめてくれよ…」

あれ泣いてる?嬉しいな
僕は間違ったことをするつもりもない、ただ趣味の延長線だと思ってくれればいい。そう重く考えないで?

「半田こっちきて」

恐る恐る近づいてフェンス越しにいる君に、ちゅうをした

「なっ…!」

「じゃ飛んでみようかな」

ふわり。と包まれた感覚とマックス!と呼ぶ声と見上げた空が青かったのと
やっぱり僕には羽が生えてないとゆうことが頭をかすめた

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