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- ナノ -

クリスマスの事情

及川徹の場合

「ごめん!仕事終わるの遅くなった」
「そんなに忙しいなら無理して会いに来なくても良かったのに…」
「だってクリスマスだよ?会いたいじゃん」
「…そう、」
「名前は?俺に会いたくなかった?」
「そんなこと言ってない」
「じゃあ会いたかった?」
「……うん」
「良かった!」
「…寒いね」
「手繋ごっか」
「うん」
「あれ、素直じゃん」
「やっぱりやめた」
「ごめんなさい手繋ぎたいです」
「ふふ、いいよ」
「あ、クリスマスプレゼントなんだけどさあ」
「え」
「美味しい夜ご飯食べに行きませんか」
「…予約してあるの?」
「勿論」
「さすがモテ男は違いますね」
「ねぇそれ嫌味?」
「褒めてるの。…ありがと」
「ん、じゃあ行こっか」

この後、誕生日以外のイベントでプレゼントは用意しないという約束を破ってクリスマスプレゼントを用意しちゃった及川がめちゃくちゃ怒られる。


岩泉一の場合

「ごめんね…」
「何が?」
「鍋で…」
「美味いぞ」
「そうじゃなくて、クリスマスなのに…」
「鶏肉あるし良いんじゃねぇか」
「水炊きの鶏肉だけど」
「鶏は鶏だろ」
「でも、ほら、結婚して初めてのクリスマスだから…」
「だから?」
「特別なパーティーっぽくしたかったなって思って」
「そんなの、これから幾らでも祝えるじゃねぇか」
「…、」
「来年やりゃ良いだろ。パーティーでもなんでも」
「ふふ…うん、そうだね」
「なんだよ」
「はじめと結婚して良かったなあって思って」
「は?いきなりどうした?」
「いきなりそう思ったの」
「なんだそりゃ」
「幸せだなあって、思ったの」
「…鶏肉なくなんぞ」
「いいよ全部食べちゃって」
「じゃあ食う」
「そういえばね、ケーキ買ってきたの。ショートケーキだけど。後で食べよ」
「おう」

お互い仕事が忙しくて特別な何かはできないけど、コタツで足を寄せ合いながら鍋をつつきつつコンビニのショートケーキを食べたりして幸せを分かち合う。


花巻貴大の場合

「見て見て!すごーい!」
「おー!やべ!テンション上がる!マジでケーキの上にシュークリームのってんじゃん…」
「写真撮ろ〜」
「……撮れた?」
「うん、バッチリ!」
「じゃあ食お」
「フォークどこだっけ?」
「あー、あの引き出し。箸と同じとこ」
「あったあった。包丁いる?」
「このまま食えばよくね?」
「切り方わかんないもんね」
「よっし食うぞー!」
「いっただっきまーす!」
「…うっま」
「おいしー!」
「あ、クリームついてる」
「どこ?」
「もーちょい右」
「ん?」
「違う違う…ここ」
「…なんか今の恋人っぽいね」
「まあ俺ら恋人だからね」
「…食べよ」
「何照れてんの」
「うーるーさーいー!」

シュークリームがのったクリスマスケーキで2人してテンション上がる。普通にお互いの家を行き来したりしてるくせにちょっとしたことでドキドキしちゃう。


松川一静の場合

「うわあ…綺麗…」
「おー。思ったより凄い」
「写真撮っても良いですか?」
「え、これ背景に俺撮るの」
「思い出に…」
「俺死ぬみたいじゃない?」
「そういうつもりじゃ…!」
「分かってる分かってる。…あ、すみませーん、写真撮ってもらって良いですかー」
「え、松川さん、」
「一緒に撮ってもらお」
「わ、ちょ、近…っ、」
「ほら笑わないと」
「えっ、あ、はい、」
「…ありがとうございましたー」
「松川さんの行動力すごい…」
「そう?…あ、いい感じに撮れてる。あとで送るね」
「ありがとうございます」
「思い出になりましたか」
「はい!」
「良かった。来年はどこ行こっかなー」
「え…来年?」
「そ。来年。行くでしょ?」
「…はい」

イルミネーション見に行ってツーショットをさらりと撮ってもらっちゃったり来年も一緒に行こうねと暗に言ってきちゃったりするスマート且つイケメン全開な松川一静。

小ネタですし会話文だけですがそれぞれのカップルの雰囲気が全然違って書くのがとっても楽しかったです…!