↓あらすじ
左近は最近佐和山城に仕えるようになった1人の侍女(名前)に惚れ、”お付き合い”を申し込む。
清い交際を楽しむ2人だったが、名前の正体は三成の命を狙う他国の忍だった。左近は名前を殺さなければならない状況でありながら「名前は俺のことを愛しているだろ?だから、自国を捨てて俺の元に来い」と投げかける。それは賭けでもあった。左近は名前が自分に向けていた笑顔を信じていた。
しかし、名前は結局佐和山に従うことはなく、左近に手を下されてしまう。





「もう終わりだ、名前」

夕立が俺と女を洗い流していく。ひと時の雨でも、頬を伝うものを誤魔化してくれるならなんでもいい。


地面に無様に倒れた女の側に俺は跪きその口から流れる血を指で唇に塗っていってやる
名前は虚ろながらもこちらを見やり不敵に笑って見せた。


「愛してたよ」

「軽率だね」


雨は涙になり得るか?
血は口紅になり得るか?

やっぱ俺は賭け事に弱えーな
一生止められなんてしないだろうけど


image song : ギャンブル/椎名林檎





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