いつの日だって等しくおとずれる一日の始まりがこんなにも幸せに感じるのは君が居るから、なんだよ。 カーテンの隙間から降り注ぐ陽の光が眩しくて目を開けると視界いっぱいに綺麗な寝顔。 めずらしい。俺なんかよりもずっと早くに起きる政がまだ目を覚まさないでいるなんて。 まあそれは俺のせい、って事になるかもしれないけれど。無理させちゃった?なんて心の中で謝りながらもニヤニヤは堪えきれない。 「なに、笑ってんだ…気持ち悪いな」 「おわッ!びっくりしたー」 「Good morning」 「おはよ、政ちゃん」 「んー、ちょっと寝坊した」 ボンヤリと時計を眺め、ぐしぐし目を擦る姿はまだ寝ぼけているのかまるで幼子のようだ。俺はそのまま起き上がろうとする政の腕を掴んで、再び布団の中に引き戻した。 「おい」 「たまにはゆっくりしようよ」 政は規則正しい生活を崩す事なくいつも目を覚ましてすぐに支度を始める。そして毎日美味しい朝ごはんの用意をしてくれるんだ。 朝は食べない派だった俺がいつの間にか、三食口にする様になったのは政のおかげ。最高の奥さんだよホント。 けれど今日は心地よいこの温もりを離したくない気分だった。そんな俺の我侭に呆れた風にため息をついたって結局は頷いてくれる。だから俺は嬉しくて彼女の白い頬にキスをした。 「…朝っぱらから恥ずかしいヤツ」 「ねぇお返しは?」 「バーカ」 そう言いながら俺の少し傷んだ髪に細い指を絡ませて、さっきキスした頬をほんのり赤く染めながら俺の唇にそっと重ねるように触れてくるものだから。 俺は思わず両腕で政の体を抱き寄せ、ギュウギュウと締め付けてしまった。ああなんて!! 「可愛い!ちょう可愛いー!」 「ぶふっく、苦し!佐助!!」 「あ、ゴメンね…つい」 そうだよ、今はただ体を寄せ合って、触れるだけのキスをして、手を握っているだけでいい。 たまにはこうやって過ごすのも悪くないと思うんだけど。 「で、朝飯はどうするんだ」 「朝昼兼でどっか食べに行こっか」 それから、久しぶりにデートの予定でもたててみようじゃない。内容は君のお気に召すまま!何処へだって連れてってあげる。 ね、こんな休日の朝はいかがでしょうか? 俺はすっごく幸せだよ。 ◇ 『りんごのれもん煮』の井岡ナオヤさんちで1400hit記念に書いていただきました結婚ネタ続編佐政です。 もう、結婚ネタがあまりに幸せすぎて、このふたりがあまりにかわいすぎて、これこの後どうなるんだ!と思っていたら想像以上の糖度で戻ってきました。 ナオヤさんありがとうございました! |