タイムトラベラー
現代の佐助と戦国の政宗が出会ったら。
大変だ。何故か俺の家に偉人がいる。
俺と偉人Inマイルーム。なにこれ夢か、痛い、夢じゃなかった。
痛む頬を押さえながら俺は口を開いた。「もしかして、伊達、政宗って人?」
壁にもたれ掛かるように座する男に問いかける。立て膝の上に置かれた手で頬杖をつきながら、彼は口角を上げた(なんで英語言ってんのこの人)。
「そういうアンタは誰だい?」
「俺は、えっと、アンタからすると名もない一庶民みたいな?」
「Your name? いいから教えな」
口調はそこらへんにいそうな兄さんと何も変わらないのに彼を取り巻くその雰囲気がそれを否定する。常に威圧されているような心臓を鷲掴みなされているような圧迫感に苛まれた。
俺の名前を聞くと男は眉を軽く上げ、ぼんやり入り口に立ち尽くす俺に近づいた。
これが教科書で見たことのある伊達政宗。確かに眼帯を付けてるししょうゆ顔(の割には思った以上に色男で驚いた)。
でも、
「アンタ、身長ちっさいね」
小さな頭に手のひらを置いてこれが本当に戦国武将なのだろうかと思った。
「Ah?アンタ今なんて言った」
時折英語だろうか、言葉が現代人のように色々と入り交じっている。子供のように好奇心旺盛に色々な物を取り入れた結果だろうか、本当に子供みたいだ。そんなことを考えるとさっきまで感じていた重圧が嘘のように霧散し、俺は思わずつむじの見える頭を撫でようとする。
「だからちっさ……」
ごめん訂正するその顔怖い。
◇
途中でぶったぎる。
ちっさい言わせたかっただけです。
(史実の伊達さんの身長は159.4cm)