にくついたB




毎日体重計に乗ってグラム単位で一喜一憂する俺は女子か。

ここ数日の日課になった体重測定にため息をついた。とりあえず適度な運動と食事制限をすれば、数ヶ月くらいで元の体重に戻るだろうと思ったんだが、飽きた。
毎朝走るの辛い眠い。俺様少食なんだから食事制限だけでなんとかならないか。いや、だめだめ!そんな甘えが今につながってんだよ馬鹿!

「アンタ昨日どこ行ったんだよ」
あの宣告をされた次の日、学校の正面玄関で政宗がふたつの鞄を両肩に下げて待っていた。彼自身の鞄と伊達宅に放置した佐助の鞄である。
「あ、その、ちょっと用事思い出しちゃって。ごめんね、カバン持たせちゃって」

「そんなことどうでもいいんだよ。なんで、帰った」

「用事出来ちゃって」
「携帯もないのに?」
「え、えへへ」

そんなことを話してから伊達ちゃんが話しかけてくれません。俺のカバン渡してぷりぷり怒って先に教室行っちゃいました。
もしかして、怒ってる?

そんな感じで気づいたら一週間、腹すいた泣きたいわびしい腹すいた。
「佐助、昼飯を食うぞ」
真田が両手に大量のパンを抱えて声をかけてくる。いつまで育ち盛りなんだこの男は、腹すいた。
「あ、ごめん今日学食行くから」
メロンパンカレーパンチョココロネサンドイッチやきそばパン……隣でこんだけ食われたらちょっと殴ってしまうかもしれない腹すいた。
「じゃあ政宗殿を誘うでござる」
「う!……いいよ、行ってきたら」
伊達ちゃんまだ怒ってんのかなあ腹すいた、会いたいなあ。




こんなところ見せられないよと佐助は背中を小さく丸め呟いた。
場所は食堂ではなく一人風当たりの強い屋上にいる。他に生徒の姿はいないためど真ん中を陣取っていたが、こんな寂しい自分を置いて今頃二人仲良く昼飯を食べているのかと思うと油っこいものを食べていないのに胃がむかむかする。
ロッカーに隠していた弁当をコンクリートの床に広げる。目の前には青々と咲く海の雑草、そして海に浮かぶ孤島のような豆腐が鎮座していた。
割合は、海藻海藻海藻海藻海藻豆腐海藻。

カロリーが低い割にタンパク質ミネラルその他栄養分が豊富なため世の乙女達に非常に好まれる食品である。おいしいかおいしくないかは別として。

「さびしい」
ですよね。






豆腐うまいよ豆腐







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