にくついたA



飛び出した手前、おめおめ戻るのはカッコ悪いのでその日は手ぶらで帰ることにした。後日確認すると突っ掛けは恋人のものだったらしい。

「俺ダサー……」
思いの外ショックを受けている自分がダサすぎて笑えてくる。外灯に照らされた道を歩きながら腹肉を触ってみた。そりゃあ皮くらいは掴めるかもしれないが、ゼイ肉はないはずだ。

むにっ。

「………………。」

こ、ここまで体に変化が出るほど肉が付いていたのか……。
い、いや!そんなはずはない!そうだ佐助それは残像だ!残像なんだ!

むにむにむにむにむに

「掴める……だと?」
どうやら残像ではないらしい。どうしよう、泣きそうだ。
思わずその場に立ち止まる。
待てよ、これは今非常にマズイ状況なんじゃないのか。

「俺、自分よりデブには興味ねーから」
なんて言われたらどうする。
あの人のことだ不快だと感じた瞬間容赦なく捨てるに決まってる。別れ話に進展すべき可能性は大いにある!
非常にリアルな想像をしたせいか心臓が痛い。あと心臓の音も痛い。

「ダイエット、するか」

そうしてダイエット生活が始まりました。





まだ続くよ






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