「好き!赤司君!」
「ああ、そうか」
いつもこうして私は赤司君にアタックしているわけなのだけれど、いつも流すというかああはいそうですかみたいなかんじで終わりだ。
「こんなに好きなんだけどな!!」
「毎日毎日よく飽きないな」
「飽きないよ!好きだもん!」
そう言っても表情1つ変えない赤司君。
照れ顔とか驚いた顔とか一度でもいいからみてみたいものだ。
_______
昔から大好きだった。
前からこうして言い続けているが赤司君の態度はずっと変わらない。
昔からいると相手を恋愛対象に見れないのだろうか。そう考えると私の恋はもうすでに終わっている。
「それはまずい・・・」
「何がなのだよ。そして自分の教室に戻るのだよ。」
ちなみに今私は緑間くんに相談中だ。
「お前もしつこいな、あれだけ毎日言っても赤司は変わらないというのに」
「…うーん、無理っぽい?」
「無理だ。」
即答されて少し落ち込む。
そんなの自分が一番よくわかってる。
「緑間くんひどいねそんなに私をどん底に突き落としたいんだ」
「ほんとのことを言ったまでなのだよ」
確かに彼の言うことはほんとかもしれない。
赤司君は恋愛とかそういうのすら興味なさそうだし。
「わかった。やめる」
「…できるわけないのだよ」
「大丈夫、好きでいるのやめます」
緑間くんに宣言して、今から私は赤司君を好きいるのをやめることにした。
ずっと思い続けて、高校になって大人になってもきっと報われることはないとおもう。
だから、もうやめます。
*
バスケ部も見に行かなくなった赤司君にも話しかけなくなった。
(なんだやればできるじゃん…)
寂しいという気持ちはもちろんあるけど、今までの私の行為はもしかしたら相手に迷惑だったのかななんて、冷静に考えたらそう思った。
「名無しっち一体どうしたんスか!」
「え、何が」
クラスが同じ黄瀬くんに突然そう言われた。
「最近部活にもきてくんないし俺寂しいっス!」
「…もともとバスケ部じゃないし」
「でもでも…!」
そんなこと言ってくれるなんて不覚にもかわいいと思ってしまった。
もとからワンコっぽくてかわいいなと思っていたけれど。
「それに…赤司っちとなんかあったんスか…?」
少し言いづらそうに聞いてきた。
これでも黄瀬くんなりに気を使ってくれたんだろうな。
「何もないよ!少し放課後忙しいだけ」
「…でもたまにはきてほしいっス」
しゅんとうなだれる黄瀬くんがかわいくて思わず頭をなでる。
「……今度いくね」
「はいっス!」
そう言うと嬉しそうに顔をほころばせる。
うんかわいい。
「名字さん赤司君がよんでるよ」
黄瀬くんとほんわかしているときにそう呼ばれ一気に現実に引き戻された。
教室の入り口には確かに赤司くんがいて。
「…いないっていっておいてください」
「ばっちり見えてるっスよ、言ってきたほうがいいっスよ!」
黄瀬くんに背中をおされて仕方なく赤司くんのところへ行く。
ほんとは顔も合わせづらい。
「少しいいかな」
「うん……」
返事をして赤司くんが向かうところへ黙ってついていく。
*
つれてこられたのは裏庭。
まさかのまさかの告白だったりするのか、とか内心どきどきしてまだ期待してる自分を殴りたくなった。
もうあきらめたんだ、やめたのに。
「名前は黄瀬と付き合っているのか?」
ここまできて予想外な質問に思わず固まる。
「え…付き合ってないけど…」
「部活こなくなったのも黄瀬と付き合ったからじゃないのか」
「…赤司くん勘違いだよそれ、付き合ってもないし黄瀬くんのせいでいかなくなったとかじゃないもん」
「…へえそうなのか」
とりあえず赤司くんはそれだけを聞きたかったのだろうか。
何のために、もうわからない。
「……赤司くんは何のためによんだの?」
そう尋ねると一息置いてから
「名前はまだ僕のことがすきかい?」
と聞かれた。
この質問にはいつもだったらすぐ答えはきまってるんだろうけど
「…普通かな」
今はこう答えるしかない。
だって諦めたんだもん。
「じゃあいつも言ってくるあれは嘘だったということかい?」
「嘘じゃないよ昨日まで」
そう答えたとき微かに赤司くんの顔が変化したような気がした。
「どういうことだ・・・?」
「昨日までほんとに好きだったよ、でももうあきらめることにしたの」
うまく表情を作ることができているだろうか。
「赤司君今まで迷惑だったでしょ?ごめんね私もう部活にもいったりしないから」
黄瀬くんとさっき約束したのに破ることになっちゃうなあごめんね黄瀬くん。
「……………」
赤司君は何も言わずこちらへ距離を縮めてくる。
「僕から離れていくなんて許さない」
壁と赤司君に挟まれて身動きがとれない。
「え…でも…だって…」
「別に迷惑だなんて言ったことはないだろう?…嫌いとも」
じゃあ、これは
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