「なんで増えてるの」

「そ、それは別に…」

「マイちゃんそんなに好きなんだ」

「…………」














久しぶりに大輝君の部屋にくると増えている写真集。
彼女になったときもうやめてねって言ったのに。





「なんで大輝君がマイちゃんの写真集買ってるのに私が黄瀬くんの買っちゃいけないの?」








別に最初は人の好みだし口出しするつもりはなかった。

けど、大輝君が最初に「黄瀬の雑誌買うのはやめろ」って言ったから私も頼んだのだ。








「ギブアンドテイクって知ってるねえ大輝くん」


「…あ?そんぐらい知ってるっつーの」


いまだ気まずいのか目を合わせようとしない。




「私は黄瀬くんの雑誌買いたくてたまらないのに大輝君は買っています。どういうことなのでしょう」



「………………」

















黙ってしまった大輝君を見てため息をつく。

そして大輝君の前に座る。





「大輝君私は別に責めてるつもりじゃないんだよ、マイちゃんが好きなのは仕方ないし欲しくなるのもわかるよ。私のほうが大輝君には無理な約束とりつけちゃってごめんね」


「別にお前がわりぃわけじゃ…」

















「だから、黄瀬くんの「それはだめだ」



まだ途中なのに言葉を遮られた。





「……なんでよ大輝君のケチ…」



「わかった、もう買わない」


「いいよ買ってもただ黄瀬くんの「だめだ」





どうしてそこまで許してくれないのだろう。

きっと大輝君はまた買うにきまってる。






「今だって守れてないじゃない絶対無理だよ」

「守る」

「無理だって」

「守るつってんだろ」


(強情……)








「お前が黄瀬のこと思ってるかと思うとなんか嫌だ」






そう言われて思わず赤くなる。



「なんだよ照れてんのか?」


そう言ってにやにやしながらこちらを見る。


「……大輝君卑怯だよね…」


「どこがだよそれだけお前のこと好きだってことだよ」



そう言って抱き寄せる。





「名前が一番に決まってんだろ」





唇にキスをおとす。






「…こんなんで解決したと思わないでよね」

「もういいじゃねえか…」




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