「黄瀬くんかっこいいよねー」
「ねーそれでバスケもうまいとかすごいよねー」
私の幼馴染はすごいと思う。
モデルでバスケも上手で、高校生なのに才能ありすぎだと思う。
少しわけてほしかったぐらいだ。
中学校もずっと一緒で高校も一緒になるかなーとか思ったりしたけど離れた。
まあこれでよかったのかななんて思っていたりする。
高校に行ったら幼馴染というポジションはねたまれたりするんじゃないかなとか思っていたわけだし。
中学でキセキの世代とよばれてたやつとなるとなおさらだ。
そんなことを思いつつ家を出るとばったり涼太に会いました。
「あ…」
「この時間会うの珍しいっスね学校っスか?」
家がお隣さんだしあってもおかしくないのだけれど出るタイミングが一緒になったのは高校入って初めてかもしれない。
「うん、これから…涼太は仕事?」
自分でもわかるほど緊張してる。
話すのが久しぶりだからかな。
正直涼太が普通に話しかけてきてくれてびっくりした。
「今日はオフっス俺もこれから学校なんスよ」
そう言って笑う。
変わらないなあ笑顔はさすがモデル
「…なんかこうして話すのも久しぶりっスね」
「そだね…」
涼太も同じことをおもっていたらしい。
「俺てっきり名無しっちと高校も一緒かと思ってたんスよ!!なのになんでなんスかー!」
いきなりそう言ってがばりと抱きついてきた。
「え、ちょっと…!ここ公衆の面前ってやつなんだけど」
幸い朝は人が少なく今は通る人もいなかった。
とりあえず離れてほしい。
「仕方ないよ涼太はバスケやりたかったんでしょ私は別にそういうのないし、同じ高校言ったところで家隣だしすぐ会えるし…」
「すぐ会えないっスよー!!今日久々にあったじゃないスか!!」
「…………」
おかしい尻尾と耳が見える。
寂しがる犬みたいなかんじに見えてきた。
「…そんなこといったって私がいなくても頑張れてるじゃん、ね」
そう言ってぽんぽんと背中をたたく。
そろそろ行かないと遅刻しそうだ。
「ほらいい加減離れて、学校いかなきゃ」
「好きっス」
突然言われた言葉にかたまる。
「答えは帰ってきてから聞くっス!ちゃんと受け止めてほしいっス!」
そう言って学校の方向へ走って行ってしまった。
「…良い逃げなんてずるいじゃない」
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