一気に朝の気温は寒くなり、朝もなかなか布団から出られない。
とは言っても学校にはいかなければならないし毎朝迎えに来てくれる高尾を待たせるわけにはいかない。

「さむ…」

小さくぼやいていつもならきていないカーディガンを手に取る。
制服の上に何も着ないというのは寒くなってきた今辛い。

外に出るともう来てくれている高尾。
いつも私が待たせてもしかしたら彼が遅れてきたことなんてないかもしれない。


「おはよーさん」

「おはよう…」

「はは、まだ眠そうだなー今日からカーディガン?」

「うん、寒いからね」

そう言って自然と手をつなぐ、うんあったかい。

「名前の手つめてえなー」

「そう?高尾の手も冷たいよ」

「いや、俺よりお前のが冷たいぜ」

といって握っていた手を少し強く握りしめてくる。

「うんカーディガンもいいな」

「何で?」

「萌袖っつーんだっけ?かわいくね?」

「高尾からそんな言葉出てくるなんて」

「ちげーって!テレビでたまたま見たんだよ!」

「知ってる」

そう言って笑うと急に高尾が立ち止まった、それにつられて自分の足も止める。



「高尾?」

不思議に思って尋ねると急にぎゅっと抱きしめられた。

「え、え、あの…ちょ、ここ」

人が少ないとはいえ通らないというわけではない、急に抱きしめられて頭が疑問符でいっぱいだった。


「やっぱお前あったけーな」

「肉がついてるって?」

「ちげーよ、手握るよりもこうしたほうがあったかい。もう少しこのままでいさせてくんない?」

おとなしく抱きしめられる。高尾に抱きしめられるのは嫌いじゃないしむしろ好きだ、それに彼が言った通りあったかかった。


「とんだバカップルだね私たち」

「まあそれもいいんじゃね?」

寒い日は辛いがこうしてぎゅっとすることができるならそれも悪くないと思った。


「もうそろそろ…」

「もーちょい」

「人が通るよ」

「いーじゃん」そう言ってからさらにぎゅーっと力をこめる。


「俺達バカップルだもんな」

「そうだね」



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