8月真只中、照りつける太陽はやむことをしらず今日も暑い日だなんて思いながら足を運ぶ。








「高尾君宿題終わった?」



「あーやっべー真ちゃんにもそれ言われた気がするわ、たぶんやってねえな」

「今日は?」

「夏休みじゃん」

「今日は夏休み最後の日です!!!」

「俺だってそんくらい覚えてるぜ?まあ大丈夫っしょー俺もそこまでためるほうじゃないから。つーことで手伝って名前」

手を顔の前で合わせお願いなんて頼んでくる彼氏を前にもちろん断れない。
今日来た目的だってほんとはこのためなのだから。


「そんなことだろうと思ってた」

「そう言ってくれると思ってた」

苦笑いして言うとにっと笑ってそう返した高尾君。








「あーもーあっちーな部活の時はバスケ楽しくてそんな気になんねえけどあっついわ」

ぱたぱたとノートで扇ぎながらも手は進んでいる。
バスケはスポーツだしすごく汗をかく、普通そっちのほうが大変なんじゃないだろうかと思ったがそれだけバスケが好きなんだろう。


「名前はもう全部終わったわけ?」

「うん」

「ひゅーさすが」

「答えだけ写しちゃだめだよ」

「ばれちったかー」

もろばれだよ高尾君。
なんで堂々と答えを写そうとするのか。



「こんなに暑くてもあっという間に秋になるんだろうな」

「そうだね」

「付き合って初めての夏だな」

いきなりそんなことを言いだした高尾君を見つめ目を見開く。


「部活ばっかでいろんなとこあんまいけなかったし来年は海とかいろんなとこいこーぜ?」

「……うん!」

少しだけ寂しいと心のどこかで思っていたのが高尾君にはわかっていたのかそう言われ驚きながらも頷く。


「WC絶対勝つから見に来いよ」

「秋が過ぎたらもう冬だもんね」

なんて日常のことやいろいろなことを話しながらも宿題は地道に消化されていった。





「はー終わった今何時よ?」

「1時かな」

終わってすっきりしたような顔で尋ねてくる、高尾君やればできる人だからささっと終わってしまった。


「よーし、じゃあ行くか」

「え?」

「夏休み最後に思い出作ろうぜ」


驚く私をよそに手をひっぱり外へと連れて行く。




「今日までまだ夏休みだし満喫しようぜ?」




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