「七夕だよ祐希くん」

「そうですね」

「どうしてこんな日までアニメ―ジャ見てるの」

「別にいいじゃないですか読みたいんだもん」




さっきからずっとこれだ。
外で一緒に星を見ようと誘っているのに動く気配がない。




「…悠太君は」

「さあ?どっかに行った」



私が来ると思って気を使ってくれたのだろうか、さすができるお兄さんだ。








「せっかく祐希君と七夕に2人でいるのに…」


ポソリと呟くとゆっくり立ち上がった祐希君。




「…しょうがないなあ名前は、行くんでしょ?」



そう言って手をひいて歩いていく祐希君。



「…うん!」





やっぱり優しいなあと思いながら握られた手を強く握り返した。






















「綺麗だね」

「…まあ綺麗じゃなかったらせっかく外に出てきた意味ないしね」



近くの川まで来て2人で座り眺める。





「七夕っていいよね」

「雨だったら年に1回の出会いも消えていたわけだね」

「なんでそういうこというかな…」




今日は晴れていたし星もよく見える。














「…祐希君と毎日会えるって幸せだね」




毎日会って、挨拶して、お話して、こうして2人でいられる。













「…そうかもね」


そんな声が聞こえたかと思うと視界が急に暗くなって。






「…え」



「これからも俺のそばにいてください」






暗くてお互いの顔はよく見えなかった










こうしてまた来年も一緒にいれたらいいな。




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