「俺がでっかくなってお前を守ってやれるくらい大きくなったら俺のお嫁さんになれ!」


「うん!」



彼は覚えているかわからないけどそんな約束をした小さな子供のころ













「あんたの幼馴染ってさモテるよね」



「へ?」


お弁当の卵焼きを口に運ぼうとしたとき突然友人がそんなことを言うので危うく落とすとこだった。



「えーっと…くる…来栖翔だっけ…?」

「うん、翔ちゃんだよ。でもなんで急に…」


すると箸をおいてずいと顔を近づける彼女。



「なになにあんた幼馴染のくせに知らないの!!?」
その迫力に圧倒されながらも首をかしげたずねる。


「え、何が?」

「ここは女子高よ!男がいないの!つまり!!」


「つまり?」

びしっとキメポーズのように指を向ける彼女。





「他校の生徒に恋する女子生徒が多いのよ!」




「…ふーん。」

簡潔な返事を返すとがっかりしたようにうなだれる


「反応薄いわね…あんたほんと恋とか興味ないのね…」



「つまりこの学校には翔ちゃんを好きな人がたくさんいるってこのとでしょ?」


「まぁ、そうなるわね。もっと焦るかと思ったら何にもリアクションなくてがっかりだわ」

はぁとため息をつく。





「翔ちゃんのことを誰が好きになろうと自由だからね。」


「ちっちゃいけどオシャレだし、空手?もやってるんだっけ?おまけにアイドルの卵。そりゃあモテちゃうわな。いいなー名無しそんな幼馴染がいて。」




食べる手を止める。

「…別に、そんないいものでもないよ。」






















だって







いくら私が翔ちゃんを思っても




















大切なただの幼なじみ







彼が私を見てくれることはない




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