「名無しっち名無しっち!」

「どうしたの黄瀬くん」




声をかけてきた人物はバスケ部にいくうちに知り合いになった黄瀬くんで



「今日一緒に帰らないっスか?」


そう尋ねられ思わず言葉につまる。
いつもは赤司君と帰っているのだ。






「…もしかしてダメっスか?赤司っちと帰るとか…ああすんませんっス!!」






しゅんとする黄瀬くんを見ると断るのが申し訳なくなってくる、今思うと絶対赤司君と帰らないといけないなんてことはない。
いつも私が1人で勝手に待ってるだけ。





(別に…いいよね…)


「ううん、一緒に帰ろう黄瀬くん」



「ほんとっスか!?嬉しいっス!!」



笑ってそう言うと嬉しそうに微笑んでくれた。



「帰り玄関で待っててくれる?」

「はいっス!」




どうして黄瀬くんが急に誘ってきたのかわからないけどとりあえず一緒に帰ることになった。







(言ったほうがいいのかな…でも赤司君別に気にしてなさそうだしなあ…)



そんなことを思ってまた少し悲しくなる。


























言おうか言わないかずっと悩んだが結論やっぱり言わないことにした。

言ったところで「名無しの好きなようにすればいいだろう?」とか言われそうな気がする。







「……………」


暗くなる気持ちを抑えてゆっくり玄関への足を進める。



















「何だ、今日は帰るのか」




急に聞こえた声に驚いて声がしたほうを見ると腕を組み壁にもたれる赤司君がいた。






「え、え?あ、赤司君何でここにいるの・・・」



正直すごく驚いている。
いつもはすぐ部活にいったり将棋をしているのにどうしてこんなところにいるのだろう。




「オレがここにいちゃダメなのか?」


「そ、そんなことはないけど……」




笑ってこちらへ近寄る。

もしかして今日は部活がないとかそんなことなのだろうか。










「黄瀬と帰るなんて許さないよ、部活が終わるまで待っていろ」



「な、何で知ってるの・・・?」




誰にも言ってない、教室にいた人しか見てないはず。




「親切な子がわざわざオレに知らせてきてくれてね」




「…でも別に黄瀬くんと帰ってもいいでしょ?」





赤司君はどうせ気にしないんでしょ?

言いだしかけた言葉をのみこむ。








「オレを怒らせたいのか? その勇気だけは褒めてあげよう。」



にやりと笑った赤司君にゾクリと背中に嫌な汗がはしる。








「オレの彼女は君だろう名無し?」




顎に手を添えられ持ち上げられる。
心臓がいつもより早く動く。











「行かせないよ」




耳元でゆっくりと囁かれた。
































とりあえず黄瀬は外周50


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