彼女とお祭りに行くお話































がやがやと人でにぎわう祭り。
いろとろどりの提灯に食欲をそそるようなたくさんの屋台。





今日は近くの神社の夏祭りだ。






(…青峰君早く来ないかな)






お祭りとはやはり恋人とくる人が多いのかそれとも神社の縁結びもあるのか男女で来てる人が多い。
正直この中で1人で待つのは少しきつい。





いつもは着ない浴衣だってお母さんに手伝ってもらって頑張ったし、髪の毛も綺麗に結いあげてもらった。




(どう思うかな……)





これも全部彼の目に少しでもよく映りたいとおもったから。

今日だって青峰君がまさか来てくれるなんて思わなかった。
誘ってもだるいって言われそうだなあと思いつつダメもとで頼むとまさかのOK。

これは正直驚いた。





それでも嬉しくて前日すごく喜んで何着ていこうか悩んだ末がこれだ。

2人で出かけることなんて滅多にないし少し浮かれ過ぎかもしれないがそれでも嬉しいものは嬉しい。


それから青峰君が来たのは30分後だった。







______________















「あーやべー……」



少し昼寝しようと思っただけなのに気がつくと待ち合わせからもう10分すぎていた。

自分が人を待たせるのなんて日常茶飯事だったが今回ばかりは遅刻せずに行こうと思っていた。





焦りながらも準備を急いで家をでる。












_________













「あーだりぃ……」



祭りというのは人が多いのは大体想像がついたけどここまでとは思わなかった。

人の多さに正直だるくて帰りたくなった。




とりあえず待ち合わせ場所に向かわないとずっと待たせてしまうことになる。















「あの子誘ってみれば?」

「えー無理だってぜってー男まってんじゃん」

「でもかわいいしよーもしかしたらだぜ」





そんな会話が聞こえてきてまさかなと思いそちらを向くと顔を俯かせて1人立つ女がいた。


よく目を凝らすと彼女に似ている。





「お前行けよ」

「えーだからどう見ても「おい」





先程から横で話している男を睨みつける。




「残念だがあいつが待ってる男ってのは俺だ違うやつあたれ」



それだけ言うと気にせず人ごみをかきわけ確信はないが歩き進める。



近づくにつれて疑問は確信に変わっていって、思わず彼女を抱きしめる。







「…あおみねくん」

「遅くなってわりぃ」

「あの、人がたくさんいるんだけど」

「あー?気にしなくていいって」


確かに少し見られているような気がするがそんなの気にしない。





「変なやつに話しかけられたりしなかったか」

「あ、うん大丈夫…」




改めて彼女をみると初めて浴衣を着ている姿をみたし結いあげられている髪の毛から覗くうなじ




(やべえな……)




「あの…青峰君…」

「…何だ」




「そんなに見つめられると照れるんだけど」


自分でも気付かないうちにまじまじと見てしまったらしい。





「悪い…その、似合ってんぜ浴衣…」





自分でも口にすると少し気恥ずかしい。




「あ、ありがとう」















それでも嬉しそうに笑う彼女の顔が見れてよかったしまあいいだろう。







「祭り行くか…」

「うん」











しっかり手を握ってはぐれないように。

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