傷つけたのも

泣かせたのも

謝らなきゃいけないのも

お礼を言わなきゃいけないのも


全部俺なのに






責めたりすることも一回もなくて





悪いのは全部俺でごめんな。




















ずっと黙って聞いてて、何もいえなくて今だって泣いてる彼女をどうすることもできなくて

ほんとは抱きしめてやりたいけどもう俺にはそんな資格ない。






「……ごめんね、泣いたりして。最近青峰君に会うの泣いてばっかで困るよね」




こういうときでも無理して笑って気を使って、泣きたいなら思い切り泣けばいいのにそんなことなくて






「…じゃあ、もういくねごめんねわざわざ」








これでもうほんとに最後なのか。

彼女と話すのもこうして向かい合うのも全部最後になっちまう・







「…まて」







自分でももう少し良い呼び止め方はできなかったのかと少し悔んだがそんなこと今は気にしてられない。




「…俺はお前を迷惑だなんて思ったことはないし、まあ今更何言っても言い訳にしか聞こえねえんだろうけど……」




つくづく自分をばかだと思った。

彼女を傷つけてもう今更どうしようもないのに






予想外だったのかこちらを驚いたように見る彼女。
涙でぬれた目も、全部自分がそうさせてしまったのかと思うとほんとに自分を許せない。






「お前は悪くねえ悪いのは全部俺なんだ」





そういうと困ったように笑った。






「…だめだよ青峰君、自分を責めたりしないでもう私は彼女でも何でもないから責任を感じることも何もないんだよ」










こんなときまで優しくて

ほんとにお前はどうしてそこまでひどいことをしたやつに










「言ったでしょ?青峰君を悪いだなんて思ったことはないって」






気がつくと彼女を抱きしめていて



きっとひきとめたのも、こうして抱きしめるのもきっと俺がまだ離れたくないと望んでいるから。






「…あお…み…ねくん…?」





「ごめんな俺ほんと勝手だ」





許してくれなくて良い、

許さなくていいから





「名無しと離れたくない…」




名無しの表情を見ることはできないけどきっとひどく驚いているんだろうな。

浮気もいっぱいされた男にこんなことされて困ってるかもしれない。
もう信じてもらえないかもしれない





でも





「名無しが好きなんだ…」







「……ほんとに?」


表情が見えない彼女から発せられたのは小さなその言葉で



「ああほんとだ」



「嘘ついてないよね?」



「ついてねえ」












「ばか……」




俺の肩に顔をうずめて小さな腕で抱きしめ返してくれた名無しが愛しくて。




「ほんとにばかでごめんな…」





もう傷つけたりしねえから





























君が好きだということ




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