×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -





ポムフィオーレ寮に連れてこられた夜月たちは、まずクルーウェルが用意した大量の服を着ては脱いでを繰り返した。何枚もの上質な布を当てては、魔法で衣装を作っていく。それを数時間繰り返したのち、ようやく衣装がだいたい定まった。


「どうだ? 立派な毛並みの仔犬に見えるだろう」
「・・・・・・さすがだわ、クルーウェル先生」


クルーウェルが用意した衣装を身に包んだ4人を見て、ヴィルは満足げにうなずく。色味を抑えた白を基調とした衣装を4人は纏い、カリムとレオナは金色を、ジャミルとラギーは銀をアクセントに入れている。


「数えきれないほどの布を当てられ、着ては脱ぎ、着ては脱ぎ・・・・・・」
「特訓する前から疲れたッス」
「そうか? 服をしたてるときはいつもこんなもんだろ。なー、レオナ!」
「まぁな」


カリムとレオナは慣れているためそれほど疲れていないように見えるが、ジャミルとラギーは既に疲れゲッソリとしていた。そんな彼らに、夜月は見惚れていた。衣装の効果でいつもと違う雰囲気を纏う4人に目を奪われぼーっと眺めていると、それに気づいたレオナがニヤリと夜月に視線を向けた。


「なんだ、草食動物。見惚れて言葉も出ないか?」
「・・・・・・そうですね、とっても綺麗なので。似合ってますよ」
「ふん、当然だな」


自信気に笑うレオナとは反対に、ラギーは今すぐ出にも脱ぎたそうにしていた。「こんな高い服、オレには不釣り合いでしょ・・・・・・」と口に零したラギーに「ラギー先輩も十分似合ってますよ。その花冠も可愛いです」と夜月は言う。「可愛いは余計ッスよ」ラギーは不満そうにする。

すると後ろからクイクイと手を引っ張られる。呼ばれるように振り向けば、キラキラと目を輝かせているカリムがいた。その背後には服を気にするジャミルが立っていた。「なあなあ、オレの衣装はどうだ?」ニコニコしながらカリムは聞く。「とても似合ってますよ」と答えれば、カリムは嬉しそうに笑う。


「ジャミル先輩もお似合いです」
「そうか? 自分ではあまり選ばない色だから、落ち着かないな」
「確かに、あまり見ませんね。でもステキですよ」


ジャミルは褒める夜月を一瞥し、間をおいてから「うっとりか?」と揶揄うような笑みを浮かべて聞く。夜月はそんなことを言うジャミルに目を丸くした後、ふふっと笑いながら「はい、うっとりです」と答えた。「君にそういわれるのは、悪くないな」つられてジャミルもクスリと笑った。


「よし、お前たちの衣装は大方これで良いだろう」
「なら次はアンタの番ね、ヨヅキ」
「え?」


クルーウェルとヴィルの視線が夜月へと移り、夜月は目を白黒させる。そんな夜月にニコリとヴィルは微笑み、右肩に手を置く。「このアタシが、最高にアンタを美しくさせてあげるわ」すると、今度はクルーウェルが左肩に笑みを浮かべながら手を置く。「安心しろ、仔犬。この俺が、お前に似合う服を仕立ててやる」笑みを浮かべる2人を目の前に、夜月は顔を引きつらせる。


「さあ、行くわよヨヅキ!」
「さあ、行くぞ仔犬!」