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「カリム!! お前はどうして面倒ごとを安請け合いしてくるんだ!? そう言う時は『一度持ち帰って検討します』と言えと教えただろ!」
「レオナさん!! オレを面倒ごとに巻き込まないでください! どうせ、面倒なことは全部オレに押し付けようって魂胆でしょ!」


ひとまず作戦等々を話し合うために、カリムとレオナはそれぞれジャミルとラギーを連れてオンボロ寮へと来ていた。談話室では話を聞いたジャミルとラギーが目を吊り上げて自分たちの寮長を睨みつける。


「でも、みんな困ってたみたいだし。オレたち全員で力を合わせればきっと大丈夫だよ」
「うるせぇな・・・・・・俺だってやりたかねぇよ」


カリムは少し申し訳なさそうにするも、楽観的に笑ってジャミルに言う。レオナは自分だってやりたくはない、と不愉快そうにした。「オレを参加させたいなら、最低自給1000マドルはバイト代出してください。話はそれからッス!」ラギーはそう言って切り捨てる。

「でも妖精の祭りだぜ? 一度見てみたいと思わないか?」カリムは「ヨヅキも見てみたいよな?」と話を振ってくる。しかし夜月が答える前にジャミルが「カリム、ことの重大さがわかってるのか? 遊びに行くんじゃないんだぞ」とバッサリ切り捨てる。

「みんな言い争って、めちゃくちゃなんだゾ」4人が繰り広げる会話を黙って聞いていたグリムと夜月は、みんなの様子を見てため息をついた。


「それじゃ、学園がずっと過ごし辛いままでいいんですか?」
「う、それは・・・・・・」
「まともに授業もできないから、みんな仲良く留年することになりますね」
「・・・・・・! それは、困るな。カリムが留年すればアジーム家の名に傷がつく」


「王族と違って、アジーム家は商家。跡継ぎに怠惰のレッテルが張られては困る」ジャミルの言葉にピクリとレオナが耳を動かす。「おい、テメェ聞こえてんぞ」ジャミルをキッと睨みつけるが、ジャミルは気にもしない。ジャミルは少し考えたあと「・・・・・・やれやれ。確かに、このままじゃ時間の無駄だな」と納得したような言葉を零した。


「どうせもう断れない。ヨヅキの言う通り、腹をくくって潜入した後の計画を立てよう」
「計画? ティアラを偽物とすり替えればいいんじゃなかったっけ」
「それは計画じゃなくて目標だ」


ティアラは女王の頭の上に乗っている。それをどうやってすり替えるか、手段を考えなくてはいけない。カリムは魔法で浮かせればいいんじゃないかと言ったが、相手は妖精だ。妖精は人間よりも魔法に敏感だ。魔法を使えばすぐにばれると思ったほうが良い。


「つか、魔法士が魔法使っちゃダメって・・・・・最初から詰んでる感あるッスねぇ」
「ばーか。だからお前がいるんだろ、ラギー」


「オレ?」呑気にしていたラギーは、突然のレオナの言葉に目を白黒とさせた。そんなラギーを見て、レオナはニヤリと笑みを浮かべる。


「テメェが、女王の頭に乗ってるティアラを偽物とすり替えるんだよ。その手で、直接な」
「・・・・・・えええ!!! オレ!!??」