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「わー! おめでとう、小エビちゃん!」

「モストロ・ラウンジを御贔屓にありがとうございます」

「ははは・・・・・・」


両端からフロイドとジェイドに言われ、夜月は苦笑を零した。というのも、机に出されたポイントカードに原因があった。3人に誘われてモストロ・ラウンジに出向くと、いつの間にかモストロ・ラウンジのポイントカードは全て埋まっていた。それを見て、本人である夜月も驚いた。

ポイントカードを貯めれば、アズールになんでも相談できるというシステムだ。それに則り、夜月はVIPルームへ案内された。「でも、良いんですか? 私、かなりサービスをさせてもらっていたのに」基本的に夜月はモストロ・ラウンジで金銭的サービスを受けていた。それなのに良いのか、と遠慮するが「ポイントが貯まっていることには変わり有りませんので、どうぞお気になさらず」とアズールは笑って答える。


「お望みは何ですか? なんでも叶えて差し上げますよ」

「じゃ、じゃあ・・・・・・」


せっかくの機会なのだ。夜月は言うだけ言ってみようと、口を開いた。



* * *



そして、その結果は数日後に現れる。


「あの、本当にこんなもので良いんですか・・・・・・」

「はい!」


夜月たちは珊瑚の海に来ていた。そして、目の前には人魚の姿になっているアズールがいる。アズールの姿に、夜月は目を輝かせて嬉しそうに見つめていた。

夜月はポイントカードで、アズールに人魚の姿が見たいとお願いした。目を丸くしたアズールはそんなもので良いのかと確認し、うなずく夜月をみて了承。そして、どうせならみんなで珊瑚の海を散歩しようとフロイドが提案し、夜月たちは珊瑚の海へと訪れた。勿論、フロイドやジェイドも人魚の姿になっている。

「ポイントを貯めてまで、アズールの人魚姿が見たいだなんて・・・・・・ふふ」「小エビちゃん、変わってるね〜」海中を泳ぎながらジェイドとフロイドはクスクスと笑った。

「ジェイド先輩とフロイド先輩の人魚姿がとても綺麗だったので、アズール先輩のも見てみたかったんです」いまだ目を輝かせる夜月が応える。「前はオーバーブロットをしていましたからね」ジェイドの言う通り、アズールの人魚姿を初めて見たのはオーバーブロットの時だった。だから気になったといってもいい。「あの時のは忘れてください!」思い出したくない、とアズールは語気を強める。

「で? どうどう、小エビちゃん? アズールの人魚姿」尾びれを夜月に絡ませるように泳ぎ寄ってきたフロイドは、さっそくアズールの人魚姿について感想を求めてくる。改めて見つめてくる夜月に、アズールは少々緊張した。


「凄く、綺麗です。想像していたものよりもずっと。素敵ですね」

「・・・・・・っ。あ、当たり前です」


嬉しそうに笑顔を浮かべて夜月は恥ずかしげもなく、アズールの人魚姿を誉めた。それを聞き、アズールは頬を赤らめてそっぽを向いてしまう。
「触ってもいいですか?」と好奇心に聞いてみれば「・・・・・・どうぞ」と遠慮がちにタコ足を差し出す。それを両手で優しく包み込んで、感触を味わうようにふにふにと触り始める。

目をきらきらとさせる夜月を横目に、ジェイドは「ふふ、良かったですねアズール」と揶揄い、フロイドは「アズール顔真っ赤〜!」とケラケラと笑う。それに対して「う、うるさいですよ!」とアズールは2人に怒鳴った。


「さて、それではそろそろ行きましょうか」


ジェイドがそう提案し、夜月たちはさっそく珊瑚の海を見て回り始めた。3人にとっては見慣れた場所だが、夜月にとっては夢のような空間。すべてのものに目を奪われて、感嘆を零した。泳ぎの早いジェイドとフロイドはスイスイ泳いで行っては、アズールと夜月の元へ戻ってくる。


「人魚って、とても幻想的で、綺麗ですね」


泳ぐ2人を眺めながら、夜月は呟いた。夜月の世界にとっては、人魚は伝説上の生き物で、絵本の中だけの存在。だからとても、綺麗に見えた。「3人とも、本当に綺麗です」曇りのない笑顔を浮かべて、夜月はアズールに微笑んだ。


「・・・・・・2本足で歩くあなたも、綺麗ですよ」


そんな夜月に対して、今度はアズールがそう言った。アズールの言葉に、目を丸くする。アズールは少し恥ずかし気に頬を染めている。夜月はその言葉を素直に受け取って、満面な笑顔を浮かべた。




お題箱から。海中散歩らしきもの。前々からネタはあって、お題箱にも入ってたので書いてみました。オクタのこの純粋なピュアな感じが好きです。この前、デュースPUで100連したらフロイドSSRが来ました・・・・・・え?PUとは?