地獄の恋事情 鬼灯の冷徹夢


シ「鬼灯様!この人だあれ?」

珍しく仕事が早く片付いた鬼灯の部屋で、同じく仕事が終わったシロは
金魚草のガラクタという名のグッズの中から、一枚の写真を見つけた

鬼「あぁ、その方は紅さんです、衆合地獄の番人をしてもらっています
今は長期出張中ですけどね」
シ「番人?なにするの?」
鬼「衆合地獄はいざこざが多いんです、それの調整役みたいな感じですかね
あとは、烏天狗警察のお手伝いもしてます」
シ「へぇ〜、すごいんだねっ、会ってみたいなぁ」

シロがのんきに願望を口にすると鬼灯は





鬼「・・・・・会ってみますか?」






――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

――鬼灯部屋前廊下

シ「ねえ鬼灯様、その人出張中なんでしょ?会えるの?」

首をかしげながらトコトコと隣を歩くシロに

鬼「会えますよ、今日が帰ってくる日なので」
シ「すごいタイミングだね!まんがみたい!!」
鬼「そうですね・・・・・・あ、ほらあそこ」

鬼灯が指差す方向に目を向けるシロ
そこには・・・

「紅様っお久しぶりです!どうでしたか、出張?」
『楽しかったよ、ところで鬼灯知らない?』
「紅様っ私のこと、覚えていらっしゃるでしょうか?」
『覚えてるよ、愛李ちゃんでしょ、ところで鬼灯知らない?」
「紅様っ鬼灯様とは以前の関係のままで?」
『まだ続いてるよ、もうラブラブ』
「えっ!紅様と鬼灯様ってそういう関係なんですか!?」
『・・・・・そうだよ////』
「あんた知らなかったの?って紅様が照れてる!!」
「きゃーっかわいい!!!」
『あの、もういいから鬼灯どこですか!!』



鬼「ここにいますよ、紅さん」

相変わらずの無表情で佇む男にこちらのモテ男は

『ほぉ〜ずきぃ〜っ!!!』

全力疾走し、その勢いのまま飛びつく

鬼「お久しぶりですね、元気そうで何よりです」
『おうっ久しぶりだな、明日休み取ってくれた?』
鬼「取りましたよ、行きたいところはありますか?」
『あ〜っとね、いろいろあるんだよね、
天国にも行きたいし・・・・・・それはいや?』
鬼「いやです」
『即答ですな』


「・・・・・・・・・」

二人の会話を眺める女性陣と、口を開けたまま固まるシロ
と、そこにお香が通りかかる

香「あら、シロちゃんどうしたの?」

困惑気味のシロを見つけ、話を振るお香
しかし、シロが何かを言う前に状況を察知する

香「あぁ、鬼灯様たち?ほんとに仲いいのよ
地獄の中では有名ね、男同士っていうのもあるけど」

「シロちゃんも早くいい人見つけなさいね」と優しく微笑むお香
シロは「うんっ」と元気に返事する



『鬼灯、明日がだめなら今から天国に行ってくるからさ、待ってて』
鬼「今からですか?というかなんでそんなに行きたいんですか?」

かすかに首をかしげ、尋ねる
すると紅は困ったように笑い

『俺が行きたいわけではないんだけどね、ただ白澤さんと約束してて・・・
可愛い女の子探して来るって・・・』
鬼「絶対ダメです」

またもや即答する鬼灯

『ありゃ、やっぱだめか』
鬼「わかってるのなら言わないでください、
・・・せっかく久しぶりの再会なのにあんな奴に会うなんてもったいない」

怪訝そうに顔をしかめる鬼灯に紅は「そうだね」と口角を上げる
鬼灯が歩き出し、それについていく紅



『鬼灯は俺を独り占めしたいんだもんねぇっ』

やや大きめの声でからかうように告げると、帰ってきた言葉はあまりにも予想外で




鬼「・・・そうですよ、あなたは私だけの恋人なんですから」





前を向いて告げた鬼灯が振り返ると



『・・・・・なに言ってくれてんだよ、ばァか』

顔を見事なまでに染めた紅がいた
しかしその表情も嬉しさで目が綻んで見える



『あーー、やっぱり大好きだわ、鬼灯のこと』
鬼「それはありがとうございます、とても嬉しいですよ」


紅は軽快なステップで鬼灯の隣に並ぶ





『・・・フフッ(早く明日になんねぇかな・・・////)』





















(公衆の面前でなんつーことを・・・・・////)

Byそこに居合わせた鬼たち



prevnext


TOP
[
しおりを挟む]

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -