過剰すぎる愛情(07) | ナノ
「月子、今日はコーヒー、それとも紅茶?」
「うーん。今日は紅茶かなぁ。」
「だと思った。ちゃーんと砂糖とミルク入れたからな。」



たまに思うことがある。錫也は、私を甘やかし過ぎなんじゃないかって。そのうち自分じゃ、何にも出来なくなっちゃうんじゃないかって。
食事はもとい普段の生活も、よくよく考えれば錫也に頼りっぱなしだ。朝のモーニングコールに始まり、昼食、おやつ、勉強…。付き合い始めてからは、寮の門限までは殆ど一緒にいる。



「…ありがとう、錫也。でも、私の位は自分でやるよ。」
「いいの、俺がやりたくてやってるんだから。」
「でも、このままじゃ自分で何にも出来なくなっちゃうよ。」


それは、不味い。女性として、いや人としても。
そんな事を言ったら、ちょっと驚いて、すぐ満面の笑みで返された。

「俺に依存する月子、っていうのもなかなか良いな。」


その笑顔が、何だか少し怖かった。

過剰すぎる愛情