ちょっと歪な愛のカタチ(錫月) | ナノ
ずっと片思いしてきた。たった一人の女の子。
そんな彼女をやっと手に入れたんだ。
だから、多少の独占欲位許してほしい。



「ばぁか。錫也の独占病は、多少の域超えてんだよ!」
「僕もそう思う。気持ちは分からないでもないけど、ちょっと独占しすぎじゃない?」
幼馴染である哉太には、よく言われてきたが
とうとう羊にまで言われてしまった。



頭では理解している。ちょっと、やりすぎだってことぐらい。
でも本当は、月子を閉じ込めて、俺しか見えないように、
大切に大切にしたい。

そんな風に考えてしまう自分がいる。
…ここまで来ると、本当に病気だ。


月子は俺のもの。俺だけのもの。
頭からつま先まで全部。笑顔も泣き顔も全部。
一挙一動だって、他の奴になんかあげたくない。


「そんなんじゃ、アイツ息苦しくなんぞ。」
「…え?」
「そんなに束縛してたら、アイツの自由を全部奪ってるのと同じじゃね?」



自由を、奪う。
考えてみれば、月子の全てを抱え込むことは
月子にとって幸せか…?






「…でも私、錫也に束縛されるの、嫌いじゃないの。」


いつの間にか、俺の隣に月子がいた。
「だって、錫也のそれは、私への気持ちの表現だもの。
ちょっと行き過ぎかなって思うこともあるけど。私は嫌じゃないの。」


…本当に、馬鹿じゃないかな。
これ以上好きにさせて、どうするんだよ。
だから、もっと欲張りになっていくんだよ。

ちょっと歪な愛のかたち


「あーぁ、やってらんねぇ。イチャイチャすんなら、他所でやれよ!!」