夢で逢いましょう01 | ナノ
寒くて目が覚めた。
外はまだ薄暗い。壁掛け時計を見たら、まだ4時だった。

「ん…。」

「…月子?」

起こしてしまったのかと思ったが、彼女の瞼はしっかりと閉じられていた。寒いのだろうか、僕の方にすり寄ってくる。

「ふふ、可愛い。」

思わずキスしたくなるけど、起こしたくないからここは我慢。
…その代わりに、そっと彼女の頭を撫でた。(寧ろこっちの方が起こしてしまうかもしれない、と気付いたのは行動した後。)
すると嬉しそうに、彼女の口元が緩んだ。まるで起きているかのように。

「…起きてるの?」

もちろん返事はない。なのに何だか嬉しい。

「僕も、もう一回寝ようかな。」
二度寝しても、今日はゆっくりできる。

すり寄ってきた彼女に寄り添うように、もう一度ベットに戻る。
ほんのり温かな彼女の体温を感じながら、もう一度目を閉じた。

(夢でも、会えたらいいな。)