ガーネットに溺れる01 | ナノ
Happy Birth Day!

瞼、頬、額。軽く口付けると腕の中で君が身をよじる。

「…羊君、くすぐったい。」
「ふふ。でも、まだ駄目。もっとしたい。」

くすくす笑う君の額に僕のそれをつけて、すぐ触れられる距離で見つめ合う。彼女の瞳が瞬くように揺れて、何だか星を見ているようだった。

「だって、まだ唇にしてないよ。」

告げると同時に、彼女の唇に口付けた。すると彼女がねだるように、首に腕を回してきた。大胆な事をするくせに、頬を染めて恥ずかしがる君は、やっぱり可愛い。
応える様に、ゆっくりと唇をなぞるように合わせて、何度も何度も啄ばんだ。苦しかったからだろうか、彼女の瞳から涙が零れて、頬を伝って落ちるのと一緒に、彼女をゆっくりと倒した。髪がソファに散らばる。

「も、もうキスしたよっ!」

息も絶え絶えに、彼女が僕を見上げて言う。
ごめんね。

「やっぱり、キスだけじゃ物足りないよ。」


「ねぇ、月子。お願い。」

少しためらって、此処じゃいや、と返事が返ってきた。
返事の代わりに微笑んで、彼女を抱きあげた。