視線で破裂:utpr | ナノ
「わっ!しょ、翔君?前が、。」


思わず帽子を深くかぶせた。あと少し遅かったら、抑えが利かなかった。上目使いで見つめられると、心臓が痛い位跳ねる。まっすぐ見つめられた後笑われたりしたら、悔しいけどノックアウト。


「わ、悪い。ちょっと、このままにしといてくれっ。」
「…は、はい。」

そんなかっこ悪い所、コイツにだけは見せたくない。今なんて自分でもわかるくらい、顔が赤い。絶対に、絶対に見せたくない。俺がこんなにドキドキしてんのに、コイツは“まだ、ですか?”なんて聞いてくるし。本当にわかってんのか、コイツ。


ちょっとイライラしてきて、春歌の頭に被せた帽子に力を入れて押した。

「しょ、翔君!痛いですっ。」
「本当、天然の度を越えてんだよ。」
「へ?」

わざとらしく、ちゅっと音を立てて帽子の上からキスをした。やった俺も恥ずかしかったけど、されたコイツの方が顔を真っ赤にして恥ずかしそうで。

「バーカ。」

視線を合わせて、そう言うとより一層真っ赤になった。
やられっぱなしは性に合わねーんだよ。