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人生は本のように結末は決まっていないし、終わりが見えない。
ただ読み進めるだけでは、現状は進んでいかない。自分から行動しなければ、物語は進んでいかない。僕が一生懸命ページをめくっても、貴方はすぐに次へ行ってしまう。


今は同じ本を読んでいるのかもしれない。
けれど、もし彼女が違う本に手を伸ばしてしまったら?僕は一体どうすればいいのだろう?


沢山ある本の中で、僕と同じ本を読んでいる貴方が今どこを進んでいるのか。
僕には、まだ分からない。


「ねーぇ、アキラさん。」
「ごめんね、あとちょっと。」

同じ部屋にいても貴方は書類の事ばかり。返事もずっと“あとちょっと”。子供じみた我儘だけれど、もう少しかまって欲しいなぁ…。

そんな事言えるわけもなく、彼女の部屋のベットに伏せた。空気いっぱいに彼女のにおいを吸い込んで、紛らわせる。きっとまだまだ終わらない。このまま少し寝てしまおう。





…何かが触れた気がした。いや、撫でている、が正しいのかも。

「…せっかく早く終わらせたのに。」
(…アキラさん!?)

びっくりして起きた。アキラさんが僕の頭を撫でながら、ちょっと拗ねた顔をしていたから。まるで、淋しいって顔をしているから。それにアキラさんから、撫でてくれる事があまりないから。

起きた僕と目が合って、顔を赤くした。たぶん僕も赤い。

今この瞬間、僕らは同じページにいる。僕としては、またとないチャンス。
この先はきっと僕次第だ。

「アキラさん、」