君をすっごく、甘やかしたい(誉月) | ナノ
どれだけ背伸びをしても、彼は私の一つ年上。

やっぱり何処か大人なのだ。甘やかされてる気がするし、子供扱いされている気がする。


今だって、私の頭を撫でては「いい子だね。」という。
頭を撫でる彼の手は、ひどく優しい。まるで妹を甘やかす兄のようだ。(でも、それが嫌じゃない。そう思うのも悔しい)



「…子供扱いしないで下さい。」
「そんな事してないよ。でも、つい可愛くて撫でたくなるんだ。」

そう言って、彼は笑った。上から笑い声が降ってくる。


笑い方だって、凄く大人びている。悔しくて、私も彼の頭を撫でたいけれど、身長が足らなくて上手く出来ない。
そんな私を見て、「本当に月子さんは、可愛い。」って笑われた。



あぁ、本当に悔しい。


「ごめん、ごめん。機嫌直して。」
「もう知りません。」


ぐぃ、と顔をあげさせられると、口づけが降ってきた。

「機嫌直った?」


…本当に悔しいなぁ。

「…もう、一回。」

「ふふ、良いよ。もう一回、ね。」


君をすっごく、甘やかしたい。