とんだじゃじゃ馬です
「紅玉ちゃんんんん」
「ちょっとなまえ〜泣き過ぎよぉ〜」
「だって…だって…私の可愛い紅玉ちゃんが帰っちゃうんだもん…」
「ッ…ま、またすぐ…会えるわよぉ〜」
「紅玉ちゃんも泣いてるじゃんよ〜」
「こ、これは目から水が出てるだけよ!別に寂しい訳じゃないんだからね!」
「何それツンデレご馳走様ですッ!!」
紅玉が煌帝国に帰る日、なまえ達は港まで見送りに来ていた。そこで紅玉と離れるのが寂しいなまえは紅玉に最後までべったりとくっついていた
そしてその翌日
アラジン、モルジアナ、白龍
アリババの旅立ちの日
アリババは数日アラジン達とは口を聞いておらず、自分も旅に出ることを告げていなかった。その為先に船に乗り込んでいる。
アラジン、モルジアナ、白龍は皆に見送られ、それぞれの決意を胸に4人はシンドリア王国を後にしたのだった。
なまえはと言うと、港に来ていなかった。悲しすぎて皆の顔が見れないからということらしい
「なまえお姉さんにもお見送りして欲しかったな…」
「そうですね…」
「なまえ殿…」
「着いて行くからお見送りしなくてもいいかなと思ったんだよ、めんご」
「「「…え?」」」
「ん?」
「なまえお姉さん!?」
「どうしてここに!?」
「みんなを見てたら私も旅に出たくなった!」
「シンドバッドおじさん達は知っているのかい?」
「ううん、一応置き手紙はしてきたけどね。普通に行きたいとか言ったら絶対反対されるし」
ケラケラと笑うなまえに3人は呆然としている
「なまえお姉さん帰ったら絶対怒られると思うよ」
「やっぱり?私もそう思う」
シンドバッドさんには何されるか怖くてたまりませんね。でも私王宮にいても部屋にいるだけだしいてもいなくても変わんないと思うんだけど
「なまえ殿の部屋は?」
「偽名で取りましたいえい!」
「僕達は3人一緒だからお姉さんも遊びにおいでよ!」
「うん!行くね!」
とりあえず4人は自分達の部屋へと向かう。なまえの部屋はアラジン達の部屋から二つほど離れた所だった。中にはベッドが一つ置いてあり、ボフッと寝転がってみると中々に寝心地が良かった
ベッドから起き上がりアラジン達のいる部屋へ行くと、泣いているアリババくんがいた。話を聞けば何やらちょっとしたドッキリをされたようだ
アラジン達はシンドバッドにアリババが来ることを聞いていたらしい。アリババはなまえが着いて来ると言うことを本人から聞いていたので驚かなかった
「なまえさ〜ん!」
「よーしよしよし!」
「男のくせに泣きすぎですよ、てかなまえ殿から離れて下さい」
「てめーにだけは言われたくねーよ泣き虫野郎!!」
「モテないくせに…」
「よし、てめー表出ろ」
「アリババくん大丈夫、私にはモテてるよ!」
「フッ白龍、俺にはなまえさんがいるからモテなくても大丈夫だ」
「アリババ殿になまえ殿はもったいないです!」
「どう言う意味だコラ」
喧嘩をする2人をアラジンが宥め、船に乗った理由を尋ねる。アリババはレームで剣闘士になる為だと答え、今度は白龍がその理由を尋ねた
その理由とは、アリババくんの魔力が別物に変わってしまったらしく、それを使いこなせるようにする為に魔力操作を得意とするヤンバラという少数民族に会いに行くとのこと。そこで、ヤンバラに確実に会うことのできるレームの闘技場に武者修行も兼ねて行くことにしたらしい
アリババは話している途中、白龍が口を挟み、いいとこを持って行ってしまうので拗ねてしまった。アラジンがおわり?と尋ねるとおわりだよ!!!と言うアリババの怒声が船に響いたのだった
一方なまえのいなくなった王宮では
「王ッ!!!!」
「どうしたんだ、ジャーファル。そんな真っ青な顔して」
飛び込んだシンドバッドの部屋には、シンドバッド、シャルルカン、マスルール、ピスティ、ヤムライハの5人がいた
「なまえが…なまえが…」
「なまえに何かあったのか!?」
「旅立ってしまいました…」
「は?」
「え!?」
「これを…なまえの部屋にあったものです」
ジャーファルから渡された紙を広げ、書いてあることに目を通す。そこに書かれているのは
みんなへ
アラジン達を見ていると何だか私も旅に出たくなったので、出ることにしました!いつか帰ってくると思うので心配しないで下さい。黙って行ったのはきっと反対されると思ったから、ごめんなさい!行ってきまーす!
愛しのなまえより
「ハァーーー!?いつかっていつだよ!?」
半ギレで叫ぶシャルルカン
「なまえたん私にも言わないなんて酷い!」
しくしくと泣きながら叫ぶピスティ
「…」
無言で連れ戻しに行こうとするマスルール
「ちょ、マスルール!今から行ってももう船は大分先まで行ってますよ!」
それを止めるジャーファルさん
「なまえ…」
ショックの大きさに倒れそうになるヤムライハ
「なまえ…帰ってきたらお仕置きだな…」
すごい悪そうな笑みを浮かべるシンドバッド
シンドバッドはすぐさま臣下の何人かになまえを連れ戻すように命じたのだった
「なまえはこの国の守護神だ、必ず連れ戻せ」
「「ハッ!」」
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