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 もう疲れました


私が目を覚ますと、3人の知らない人がいて、ザガンに拐われていた女の子と大好きなモルジアナちゃんが血だらけで抱えられていました


「どう言う状況…?」

「なまえ殿!」

「モルさんの魔力が切れかかってて大変なんだ!」

「あいつら…アル・サーメンの奴らだ!」

「ちょっと待ってね、えーと…」


とりあえず私は神経を集中させ、モルジアナちゃんの額に自分の額をくっつける


「ゲホッなまえ…お姉ちゃん…」

「モルジアナちゃん!」

「どうなってるんだ!?」

「なまえおねえさんの魔力をモルさんに分けたんだ」

「しかしそれではなまえ殿が」

「私はまだまだ魔力あるから大丈夫、モルジアナちゃんと女の子は私と白龍皇子で守るから2人は戦いに集中して」


白龍皇子と二人を抱え遠くに離れたあと、私は皆を覆うほどの防壁を作り出す。すぐに攻撃を食らったが私の防壁はびくともしない


「す、すごい!」

「この中から絶対出ないでね」


戦いはどんどん激しさを増していき、白龍皇子は二人を助けに行ってしまった。しかし敵の女ドゥニヤは闇の魔装で極大魔法を発動させた


「極大魔法・無限剣舞陣」


剣の雨が降り注ぐ
しかしアラジン達は生きており、幻影を使って見事に攻撃を躱していたようだ。アリババくんは透かさず、アル・サーメンの顔を隠した男の首を刎ね、アラジンは堕転していたドゥニヤの黒いルフをソロモンの知恵を使って白く戻したのだった

私達は直ぐ様宝物庫へ急ぎ、ジンの居場所を探す。アリババくんのジンが指したのは宝箱で、宝箱にはアリババくんとアラジン2人が同時に触れた


「誰だ…?王になるのは…」


出てきたザガンは、今までの馬鹿にしたような態度はなく、仮面もしていない


「我が名はザガン…忠節と清浄のジン!……マギよ…数々の非礼をおわびします…村人たちの魔法はすぐ解きましょう。あれは私の迷宮生物たちが行った暴挙…しかしジンは宝物庫から出られぬゆえ、今日まで止められませんでした…お許しください…」


何だか礼儀正しくなったし、真剣だしモルジアナちゃんにも迷宮の魔力を分け与えて癒してくれた


「モルジアナちゃん楽になったみたいだね」

「あ…ありがとよザガン!」

「…」

「なぁザガン!」


アリババくんが話しかけても黙りだったザガンは次の瞬間、アリババくんにペッと唾を吐いた


「マギとそこの子以外の人間が僕に話しかけないでくれる?吐き気がするからさ〜」

「アリババくん、ウケる」

「ウケませんよ!」

「でもねぇ…王は選ぼう。宝物庫へたどり着いた中から…それが決まりだ!我が主は…君だ!練白龍!!」

「…」

「…おや〜納得いかない顔だね〜?」

「…なぜ俺を…?」

「簡単さ、それはね…君が1番僕を使う才能があるからさ!まずマギと眷族とその子を除く四人の中で、1番魔力が多いのは君さ。そして君の魔力操作能力は僕の大地と生命をつかさどる力と相性がいいんだ。おわかり?」

「…しかし、俺よりふさわしい人物がいると思う」

「あぁ…お仲間のアリババくんのこと?彼はねぇ……全っ然だめだね〜」


あらら、アリババくんショック受けちゃってるよ。ザガン曰くアリババくんはアモン一つですら使いこなせてないらしい


「なまえは何でダメなんだ?」

「なまえちゃんはねぇ、もうそれ以上力はいらないだろうし、本当はなまえちゃんがいいんだけど彼女特別っぽいからさ」


ずっと納得いかなそうな顔の白龍皇子、ザガンは白龍皇子にどんな王になるかは君次第と言い残し、白龍皇子の槍へと姿を消したのだった


「村の人達の魔法も解けたみたいだし、さっさと帰りますか」

「お宝もみんなで残さず持って帰ろうぜ!!」

「うわっ金の亡者、ゼニババだ!」

「何その名前!?」


とその時


「痛っ!!うわ、なんだこいつ!!」


蛇に咬まれた白龍皇子、大して痛くはないらしいが、念のために毒を吸いだそうと口をつけると顔真っ赤にして断られた。

さて帰りますか




























「どう言う状況…?(二度目)」


迷宮から出た瞬間に見たものは、せっかく解放された村の人々やアラジン達が攻撃を受けている所だった

なまえはすぐ様全員に防壁魔法をかけ、村人達に遠くへ逃げるように叫ぶ


「ッなまえお姉さん!!」

「アラジン!アリババくん!大丈夫!?」

「迷宮の外に…アル・サーメンがまちぶせていたんだ!」


ボロボロの2人に駆け寄り、上を見上げれば、闇の金属器を持った3人の男達がいた。その内の1人が極大魔法を発動させようとしている


「アリババくん、アラジン!私に掴まってて!!」


なまえは気絶しているモルジアナと白龍皇子の手を掴み、アラジンとアリババに自分を掴ませると、全力で防壁魔法をかけた

グワッと辺りにはすごい衝撃が走る

間一髪なまえの魔法が間に合い、皆に大事はなかったが、迷宮の中でソロモンの知恵を使っていたアラジンは体力を使いすぎて立っているのがやっとのようだ


「ちょっと〜あんた何なの〜?邪魔しないでくれない?」

「あんたらこそ、何私の可愛いアラジン達虐めちゃってくれてんの?その髭剃るぞカマ野郎」

「口の悪い子ね…その子達が脆すぎなのよ…こんなのに負けたドゥニヤは無能よ…やっぱりワタシを連れて行くべきだったのよ…ねぇ?」

「イスナーン様はドゥニヤびいきですから、仕方ありませんよ」

「ひどいわ〜男女差別よ…ねぇ?アポロニウス」

「そうじゃのう…ところでそのイスナーン様のお姿が見えんが?……まあ良いか。わしらは予定通り…そこの二人を消すのみじゃ…」

「無理だろうけどね」


なまえは防壁を強化する、そのとき、ゆらりと立ち上がったモルジアナ。ボタボタと血が流れ出ている。虚ろな目をしていたモルジアナは何かを決心したのか、防壁から飛び出し、敵に蹴りかかった。


「モルジアナちゃん!!」


しかしモルジアナの攻撃が敵に届くことはなく、足を掴まれ逆さに吊るされてしまった。そして敵がモルジアナに向かって拳を叩きつけようとした瞬間になまえは魔法でその拳を吹き飛ばしモルジアナを助け出した


「危ない危ない…モルジアナちゃんお願いだから無茶しないで?お姉さんモルジアナちゃんに何かあったら死んじゃいそう」

「なまえさん…ありがとうございます…ゲホッ…ッなまえさん危ない!」


背後から伸びてきた敵の手にモルジアナが叫ぶ、しかしその手はなまえに当たる直前で切れ、ぽとりと地面に落ちてしまった


「あんた誰よ?」

「マスルールさ…ん…!?」

「なんてイケメンな登場の仕方なんですかマスルールさん、素敵」

「お味方?…まぁ何人邪魔が増えようと…マギとアリババ王に死を!」


私の貼った防壁に攻撃を仕掛けようとした敵の手、しかしその手は防壁に当たることなく一瞬にしてバラバラになった


「そいつは困るなァ…こいつら俺たちのかわいい弟子なんでね!」

「し…師匠!」

「嬲ってくれたこと…後悔させるぜ死ぬほどなァ!!」

「ヤムさん!シャルルカンさん!…あとは3人に任せますね」

「なまえ、お前も結構辛いんだろ?そこで休んどけ!」

「実は結構疲れました、早く帰りたいんで瞬殺しちゃって下さいね」

「おう!任せとけ!」


なまえの頭をひと撫でし、3人は敵と向き合う。なまえは4人を防壁魔法の中に入れ、傷が癒えるように癒しの魔法をかける


「なまえさん…なまえさんも疲れてるんだから傷の回復は後でも…」

「大丈夫だよアリババくん、私もこれで癒されてるから…でも少し疲れたから眠るね…」

「なまえさん…」


なまえは隣にいるモルジアナを抱き締め、目を閉じたのだった






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