実行したら犯罪です
ある日の部活中、自転車競技部のマネージャーであるなまえは休憩中の部員にドリンクとタオルを配り終え、新開の横でタオルを畳んでいた。
「ねー新開」
「ん?」
「寮って温泉あるんでしょ?」
「ああ、あるぜ」
「いいなー!私も寮に住めばよかった…」
「なまえは自宅から通ってるのか?」
「うん、ここから歩いて20分ぐらいだし、自転車で来るから10分ぐらいだよ」
「へー近いな、自転車はママチャリ?」
「ううん、ロード」
「…へ?」
私がそう言うと、驚いた顔をして新開が乗れるのかとか言ってきた、確かに私運動神経悪いけどチャリぐらい乗れるわ
「いや普通のチャリなら驚かないけど、ロード乗ってるとか初耳だぜ?」
「あれ?言ってなかった?荒北達知ってたし、寿一とかに聞いてるかと思ってた」
私が何故ロードに乗ってるのかというと、高校生になった時、親戚のおじさんがもう乗らないからあげるとロードバイクをくれた。
最初はいらないと言おうと思ったが、幼なじみである寿一がずっと夢中になっているものに少しだけ興味があったので、ありがたくもらうことにしたのだ。
「最初は結構フラフラで転んでたけど、今じゃ完璧に乗りこなしてんよ!」
「じゃあ、今日の帰り俺と勝負しようぜ」
バキューンといつものポーズを決める新開。普通に考えて勝てんわ
「絶対いやだ」
「なんでだよー、ちゃんと手加減するぜ?」
「それでも勝てる気がしない、それに今日下パンツだし、レースなんてしようものなら、私はパンツを晒しながら走ることになるからね」
「俺は気にしないぜ」
「私が気にするわ」
「なまえはレーパンはかないのか?」
「はくよ?でも今日寝坊して忘れてきた。来るときちょっと擦れて痛かった。帰りはおして帰るわ」
いや本当に何であんな時間に起きたの自分。母もちゃんと起こしてくれたらいいのに(何度も起こしたと怒られた)
「なまえのレーパン姿…結構いいかもな」
「え?何が?」
「レーパンってぴったりしてるけど、なまえスタイルいいから似合うよなーと思って」
「そういう新開だって、素敵な身体してると思うよ。特に腹筋」
「腹筋?」
「何それたまんない、触ってもいい?」
「ああ、いいぜ」
自分の服を軽く持ち上げ腹筋を露わにする新開。素敵な腹筋ごちそうさまです。
「うわーいいなこれ、すごいね」
「なまえって筋肉フェチだったか?」
「フェチってほどでもないけど大好き。だから私泉田くんのアンディーとフランク狙ってるの、どうしたらいいかな?部活が終わったあとに暗闇に引きずり込んで…うふふ」
「それ実行したら犯罪だからな?」
「チッ…じゃあどうすれば」
「普通に頼んでこいよ」
「すでに頼んだことはあるよ、でも断られた」
顔を真っ赤にして、あなたは女性なんですからもう少し恥じらいをうんぬんかんぬん的な説教をされてしまった
「おめさんのその無駄な行動力を別のとこでいかせばいいと思うぞ」
「まー筋肉なら寿一も結構すごいんだけど、私的には泉田くんか新開の筋肉かな」
「なまえさん、タオルもらってもいいですか?」
「噂をすれば泉田くん、はいどうぞ」
「ありがとうございます。噂って何のことですか?」
「いや、泉田くんの筋肉素敵だなーって」
「なまえさん!あなたはまたッ!?」
「ああたまらん胸筋」
ガバッと泉田くんに飛びつき胸筋に頬摺りをするなまえ。泉田くんは今にも顔から火が出そうなほど真っ赤になって固まっている。
「なまえ、それはセクハラだぞ」
「ナニやってンのォ、なまえチャァン?」
「ぎゃあああああ!痛いっ荒北ごめんって!もう浮気しないから許して!」
泉田くんの胸筋に頬摺りしていると、額に青筋を浮かべた荒北がやってきて、わしっと頭を掴まれた。痛い
「お前と付き合った覚えねェよ!大体新開ももう休憩終わりだろ、とっと練習戻れ!」
「へいへーい」
「まったく荒北は短気だな、カルシウム足りてないんじゃない?今度からドリンク牛乳にしようか?」
「なまえチャン、そんなに俺を怒らせたいのかなァ?」
「怖い!新開助けてー!」
新開の背後に回り込むものの、前から腕を掴まれ新開越しに引っ張られる。新開の背中めり込んで痛い。しかも新開びくともしないから余計に痛い。腕伸びる千切れる
「なまえって意外と胸あるんだな」
「荒北!!!」
くるっと向き直った新開にぎゅーっと抱きつかれ、私は荒北に助けを求める。
「なまえ俺と一発どう?」
「助けてぇ!犯される!」
「お、おい!新開離せ!」
「冗談だって」
ケラケラと笑う新開
この人の方が犯罪臭プンプンだわ
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