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久しぶりですね



ゆさゆさと揺すられる感覚になまえは目を覚ます。そして自分が何かに凭れかかっていることに気がつき、目を向けると不機嫌そうな光くんの綺麗な顔が飛び込んできた


「…光くん美人だね」

「寝ぼけてへんでさっさ退かんかい」

「サーセン」


なまえは足下のリュックを背負いバスから降り、もう一つの大きな鞄をバスの運転手さんから受け取る

周りをきょろきょろと見渡せば黄色のジャージや青色のジャージの団体がいた。それぞれジャージにはロゴが入っており、黄色が立海、青色が青学のようだ

とりあえず一端部屋に荷物を置いてホールに集合とのことなので、部屋の番号を教えてもらい、部屋へ向かう。

他のみんなは2、3人で一部屋とからしいが、私は1人部屋だった。部屋にはトイレも風呂もついている。それにここには大浴場や露天風呂、プールやトレーニングルームなど他にも色々あるとのこと、高級ホテル並だね

ご飯もバイキングで、跡部財閥の雇った一流シェフが作るらしい。ご飯が美味しいのはいいことだ

そして制服で来ていた私は、Tシャツに短パンという動きやすい格好に着替えた。家でもこんな服装だったりするけどやっぱりこれが1番楽だわ


コンコンっ


「はーい?」

「久しぶ(バタンッ


見てない見てない
あんな無駄にポーズ決めて部屋の前に立ってる俺様泣き黒子なんて私は見てない


「おい、なまえテメェ…随分な挨拶じゃねーの」

「ぎゃあああ入ってきたあああ」


しかもスペアキー持ってるとかずるくない?怖くない?


「まさかお前が来るなんて思ってもみなかったぜ」

「私は氷帝と聞いて、あっ…ってなったよ。久しぶりですね跡部っち」

「っちつけんな、景吾って呼べ」

「断る」

「…相変わらずだな、なまえ」

「景吾もね、てか何しに来たの?」

「久しぶりに幼馴染みの顔を見に来ただけだ、アホ面も変わってねぇな」

「誰がアホ面だこの泣き黒子、顔立ち綺麗すぎて貶せねぇじゃねーの」

「フッ、誉め言葉として受け取っておくぜ」

「腹立つ泣き黒子だな」

「所でだ、面倒くさがりのお前が何でマネージャーなんかしてるんだ?好きな奴でもいたか?」

「そんな訳ないわ、何か先輩に強制的に連れて来られた感じですかね」

「白石か?」

「よくお分かりで」

「氷帝のマネージャーは断ったくせに四天のマネージャーはすんのか、アーン?」

「いやちょっと奥さん話聞いてました?強制的だよ強制的。しかも氷帝とか数ヶ月しか通ってないし」

「…雪恵さんの言うことなら仕方ねぇ」


雪恵とは私の母である。昔から変わらない破天荒っぷりは景吾もよく知っている


「そろそろ時間だな、いくぞ」

「へいへーい」


先に部屋を出ていく景吾に続くなまえ。2人は適当に話をしながらホールへと向かった。そこにはもう各学校のほとんどのメンバー達が揃っていた

ホールに足を踏み入れた跡部となまえをみんなが見ている

え?みんな何でそんなにこっち見るの?怖いよ?あれか、休み時間に他のクラスに行ってドア開けたらほとんどの人が振り向く現象か、あれまじやめてほしい


「お前も自分の学校の所に並んでろ」

「了解ッス」


そして自分の学校の列に並んだなまえは質問責めに合った


「なんで跡部君とおったん!?」

「知り合いなん?!」

「しかもやけに親しげやったな」

「なまえちゃんの恋人だったりして?!」


上から白石、謙也、財前、小春


「ただの幼なじみです、久しぶりに会いました」

「ほな、別に好きとかやないん?」

「ないですね!」

「そうか…(でも向こうにはその気があるような…めっさ睨んでくるし…)」


その視線に気づいていないのか、なまえはありえませんよ!などと言いながらケラケラ笑っている


「なんや跡部くんが不憫に思えてきたわ…」

「ん?」

「あ、開会式始まるみたいやで」


ステージの方に目を向ければ、顧問の先生達が並んでおり、その中から前に出てきた氷帝の顧問の先生である榊先生がこの合宿について一通り説明をしてくれた、とりあえず今日は各学校ごとで練習して、明日からは色んな組み合わせで試合をするらしい

話が終わり、一旦みんなはそれぞれの顧問の元へと集まる、そして案内されたコートに着くと、各々練習を始めたのだった




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