113:スキルコアは死んだ精霊の心臓


ホストヒューマンは体内にいるパラサイツがスキルコアに反応するので、スキルコアに触れたり、身につけるだけで体内のパラサイツが活性化するよ。逆に普通の人間がスキルコアの恩恵を受けたい場合は体内に埋め込んだりしないといけない。スキルコアの中にある精霊を活性化させる力を直接体内に流す為。



もともとスキルコアは人間の体内に巣食うパラサイツ向けの活性化剤みたいなものなので、普通の人間がスキルコアの力を受けようとするとかなり身体に負担が掛かる。



スキルコアは死んだ精霊の心臓。体内にその死んだ精霊の心臓を埋め込むとなると、それはつまり精霊に寄生されているのと同じようなもの……というより、一時的に死んだその精霊になってしまっているのと同じようなものだから。今まで普通だった人間が急な体質の変化についていける訳もなく……。



スキルコアとパラサイツが反応する理由については、元よりパラサイツは自分より弱いパラサイツを支配して、より自分を強化していこうとする性質がある訳でして。ホストヒューマン同士の延命処置もそれに所以する。



ホストヒューマンの生命力の高い方へパラサイツが移動したがるのは、人間の生命力もろくに奪う事のできないパラサイツの方が弱い、ならば自分らがこの器の人間を支配してやろう、みたいな感じの理由。でも移動した所で人間の免疫力には勝てずに移動したパラサイツは徐々に駆除されます。



元々自分に寄生しているパラサイツは器の人間が幼少期の頃、免疫力もそんなに高くない時に自分は害のある生命体ではないと器の人間の身体を良いように改竄していった。その為どんなにパラサイツが身体を食い散らかそうが免疫能力は仕事をしない。それがこの体内での正常な出来事であると誤判断した為。



話を戻す。精霊は死ぬと肉体のみ浄化され、心臓部であるスキルコアだけを残す。この場合の死は、精霊の肉体のみに適応される。つまり、心臓部、スキルコアはまだ死んでいない。



スキルコアはまだ死んでないけど、肉体は死んでいる訳で、パラサイツからするとそういった存在は最弱として扱われる。器であるホストヒューマンがその最弱の存在を身につける訳だから、体内のパラサイツは支配欲に満ちて活性化する。



どんなスキルコアでも身につけているとパラサイツの力が少し強力になるのはこのせい。そしてそのスキルコアを身につけると、身につけている間スキルコアの中に生きる精霊にも寄生される事になるので、様々な能力を得る事ができる。当然寄生される精霊が増える訳だからその分寿命も早く縮まる。



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2014/8/12


 

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