from two second to four forth | ナノ


from two second to four fourth


リナリーと神田が"Mind Melt"に訪れて数日が経った。

この間のバイトの子はどうしたのー?と聞かれながらも、ルーナはジルと一緒に働いていた。
もちろん神田とリナリーは協力者(ブローカー)を探しに、ディアロがいるであろう場所に行った。
それから何事もなく、2人でいつもの生活をしていた。

ジルは大学に行き、暇な時は店の手伝いをする。
ルーナは幻覚だがきちんと働いていた。

そんなある日。




ルーナは独りで店にいた。
ジルは大学に行っているため、ルーナは店番をしているのだ。
もちろんルーナは実体のある幻覚である。
鼻歌でメロディーを奏でながら、お客さんを待つ。

「ふぁー。…暇」

事実、教団にいるルーナに暇はない。
いつも何かの書類が周りを埋め尽くしている。
ここでの暮らしは平和そのもの。
ルーナが昔から求めていたもの。
一つ、ルーラというパーツが抜けているが、家族で笑顔で健やかに過ごす、平和。

「本体は大変ねー。徹夜四日目?あれ、五日目かしら?」

他人事のように思う。
教団にいる本体は飴を舐めながら、ペンを走らせていることだろう。

ドッ カランカラン

荒々しく扉を開ける音がする。
普段ならば、これは来客を告げる音。

「ルーナちゃん!」

見知った人だった。
特定の豆しか買わない、通なお客さんだ。

「いらっしゃいませ。セナビアさん。いつもの豆ですか?ちゃんと在庫はありますよ。そんなに急がなくても…」
「ち、違うのよっ!ルーナちゃん!
 ジル君が…ジル君が…!!」
「? ジルがどうしたんですか?」

ルーナはやっと焦るセナビアに気付いたようだ。
息を切らすセナビアは驚くべき言葉を口にした。

「ジル君が、交通、事故で…」
「え?」

――この人は何て言った?

頭が真っ白になった。
ルーナは音を聞き取れなかった。
ただ口の動きだけが目に焼きつく。

ジルが意識不明の重体。






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