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ゆっくり歩き、菜舞は学校に到着した。この時点で朝練に10分ほど遅刻している。
あくびを我慢しながら、体育館へと向かう。朝っぱらからボールが跳ねる音がする。元気なことだ。
寝起きには重たく感じる体育館の扉を開けた。

「おはようございますー」
「来たな」
「珍しいな、冥地が来るなんて」
「偶にはタオルくらい配りますよ」

朝練に来たことで上級生にも驚かれた。
菜舞も驚いた。

清水がいない。

ーー私がわざわざ早起きして急いで準備して登校したのは清子に会うためだったのに何でいないのそもそも昨日の練習の後に'明日朝練行くね'なんて言ってなかったのに清子来ると思ったのは菅原が……!!

そうだ。昨日、清水が朝練行くなどと言ってなかったのに、清水が朝練に来ると思っていたのは、菅原が菜舞に電話で来ると告げたからだ。
朝早起きさせられたのも、菅原のせいだ。

この怒りをすぐにでもぶつけたいが、彼は今練習中だ。先輩もいることだし、練習を中断させるのは申し訳ない。
後で覚えてろよ、菅原。







朝のSHR(ホームルーム)の20分前に部活は切り上げられる。片付けや着替え、教室への移動の時間に配慮されている。
練習中は、タオルを配ったり、ボール拾いをするなどして過ごした。キャプテンが片付けと言った後に、部員がわらわらとネットやボールを片付け始める。その機に乗じて、菜舞は菅原に話しかける。

「菅原くーん?ちょっとオハナシがあるんだけどー?」
「うわぁ、ごめんって、菜舞」

彼は菜舞が怒っている理由について検討がついているようだ。

「清子来てないじゃない! 来るって言ったの菅原でしょ?」
「いや、ごめんって」
「ごめんってじゃないのよ!」
「偶には早起きもいいだろ?三文の得だよ」
「清子に会えなかったし!」
「お前は清水ばっかかよ…」

菅原の顔が曇る。菜舞はそれを見逃さない。
周辺の部員の空気も固まる。ちょっと鈍すぎだろ、あんた。

「だって清子がバレー部入ったから、私もバレー部(この部活)入ったし」
「オレだって、菜舞に会いたくて、」

「は?」
「あ」
「スガ頑張れ」
「スガさん…!!」

「昨日会ったじゃん」
「ちが、そういう意味じゃ」
「ならどういう意味?」

キーンコーンカーンコーン
「…お前ら、あと5分だぞ。後にしろ」

キャプテンからのお達しだ。
菜舞は納得がいかない。菅原の同年代である澤村と東峰がハラハラとした顔で見つめる。

「また話に行くよ、待ってて」

菅原が、真っすぐ菜舞の顔を見て告げる。

え。何、よ。


日常は変わっていく


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管理人から!

アンケートにお答えする形で…
更新遅すぎてごめんなさい......

2016.8.25.


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